終末医療

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終末期医療:穏やかな最期を迎えるために

終末期医療とは、回復が望めなくなった重い病気の最後の段階にある方に対して行う医療のことです。積極的な治療で病気を治すことではなく、苦痛を取り除き、穏やかな時間を過ごせるように支えることを目的としています。つまり、病気を治すのではなく、人生の最期をどのように過ごすかに重点を置いたお手伝いをする医療のことです。 終末期医療では、身体の痛みや苦しみを取り除くだけでなく、心の痛みや不安にも寄り添うことが大切です。病気の不安、死への恐怖、やり残したことへの後悔など、様々な思いを抱えている患者さんの心に寄り添い、支えていくことが重要になります。患者さん一人ひとりの気持ちに耳を傾け、丁寧にケアを行うことで、穏やかな気持ちで最期の時を迎えられるように支援します。 また、終末期医療では、患者さん本人の意思を尊重することが何よりも重要です。どのような医療やケアを受けたいのか、どこで最期を迎えたいのかなど、患者さんの希望を丁寧に聞き取り、可能な限りその希望に沿った対応を行います。そのため、患者さんご本人だけでなく、ご家族ともしっかりと話し合い、皆で協力して最善の道を考えていく必要があります。 終末期医療の目的は、人生の最終段階において、患者さんが尊厳を保ち、自分らしく過ごせるように支援することです。残された時間を大切に、悔いなく過ごせるように、医療チームだけでなく、ご家族、そして患者さん自身も一緒に考え、協力していくことが大切です。最後まで人間としての尊厳を守り、安らかな気持ちで人生の幕を閉じることができるように、心を込めてお手伝いさせていただきます。