筋萎縮性側索硬化症

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医療

ALSと付き合うということ

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)、通称エー・エル・エスは、体を動かす指令を出す神経が少しずつ侵されていく、進行性の難病です。手や足の筋肉が最初に衰え始め、次第に呼吸に必要な筋肉も弱っていきます。そのため、歩く、物を食べる、話す、呼吸するといった、普段の生活を送る上で基本となる動作が難しくなっていきます。病気の進行の速さや症状の出方には個人差があり、病状が進むと自力で体を動かすことや呼吸することが困難になり、人工呼吸器を装着する必要が生じることもあります。 エー・エル・エスは、今の医学では原因が解明されていない難病であり、根本的な治療法はまだ見つかっていません。しかし、病気の進行を遅らせたり、生活の質を少しでも良くするための様々な治療法や支援があります。エー・エル・エスと診断された直後は、病気に対する不安や将来への恐れを抱くのは当然のことです。正しい知識を身につけ、医師や看護師、その他の医療関係者、そして支援団体と協力していくことで、病気と前向きに向き合い、より良い生活を送ることは可能です。 エー・エル・エスは難病ではありますが、決して希望を捨てる必要はありません。周りの人々の支えや最新の医療、そして患者さん自身の生きる力によって、エー・エル・エスと共に生きる道は必ず開けます。病気について正しく理解し、受け入れることが、エー・エル・エスと付き合っていくための第一歩です。焦らず、ゆっくりと、ご自身のペースで病気と向き合っていきましょう。そして、困ったときや悩んだときは、一人で抱え込まずに、周りの人に相談したり、支援団体に連絡してみましょう。きっと力になってくれるはずです。
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ALSと共に生きる

筋萎縮性側索硬化症。この病名は、あまり聞きなれないかもしれません。しかし、ALSと聞けば、思い浮かぶ方もいるでしょう。ALSは、体を動かす指令を出す神経、すなわち運動神経が徐々に働かなくなる病気です。難病に指定されており、今のところ、根本的な治療法は見つかっていません。 この病気の特徴は、運動神経だけが侵される点にあります。体を動かす筋肉は、神経からの指令を受けて初めて動くことができます。ALSでは、この指令を出す神経がうまく働かなくなるため、筋肉は次第に痩せて力が入らなくなっていきます。勘違いされやすい点ですが、これは筋肉そのものが悪くなっているのではなく、神経からの命令が届かなくなることが原因です。 意識や視覚、聴覚、内臓の働きなどは、多くの場合、保たれたままです。つまり、病気で体が不自由になっていくなかでも、頭ははっきりとした状態が続きます。自分の置かれた状況を理解しながら、体が思うように動かなくなっていく。これは、患者さんにとって大きな苦痛であり、不安やもどかしさにつながります。ALSは進行性の病気で、徐々に悪化していきますが、その進行の速さには個人差が大きいです。発症してから人工呼吸器が必要となるまでの期間も、人によって様々です。 現在、ALSの進行を遅らせる薬はありますが、完治させる薬はありません。患者さんとそのご家族は、長期にわたる闘病生活を強いられます。ALSは、現代医学においても未だ多くの謎が残る病気です。研究者たちは、この病気を解明し、効果的な治療法を見つけるために、日夜研究を続けています。