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福祉用具専門相談員:役割と重要性
福祉用具専門相談員は、高齢者や障がいのある方が、住み慣れた場所で自分らしく、より快適で安全な日常生活を送れるように、福祉用具の選定、提供、調整などを行います。
利用者の方にとって、福祉用具は生活の質を大きく左右する重要なものです。そのため、専門相談員はまず利用者の方の状態を詳しく把握することから始めます。身体機能の程度はもちろんのこと、生活環境、生活習慣、趣味、そしてご家族の介護状況や希望など、多岐にわたる情報を丁寧に聞き取ります。
例えば、歩行が困難な方に対して車椅子を選ぶ場合、単に「車椅子」と一口に言っても、手動か電動か、自走式か介助式か、折りたたみ式かなど、様々な種類があります。利用者の方の腕の力、自宅の間取りや段差の有無、外出の頻度などを考慮し、最適な一台を選定します。
また、ケアマネージャーをはじめ、医師、看護師、理学療法士、作業療法士など、他の専門職と連携を取りながら、利用者の方にとって最も効果的な福祉用具の選定を行います。福祉用具は車椅子や介護用ベッドのような大きなものだけでなく、入浴用の椅子や手すり、食事用のスプーンや箸、排泄に使うおむつやポータブルトイレなど、日常生活で必要な様々な用具が含まれます。
福祉用具を選定した後も、専門相談員の仕事は続きます。利用者の方やご家族に使用方法を丁寧に説明し、必要に応じて調整を行います。さらに、定期的な点検や修理を行い、安全に長く福祉用具を使えるようにサポートします。福祉用具に関する助成制度の案内なども行い、利用者の方の負担軽減にも努めます。このように、福祉用具専門相談員は、利用者の方の生活を支える上で、欠かすことのできない存在です。