着衣

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入浴の介助

脱健着患で楽に服を着脱

脱健着患とは、体の片側に麻痺やしびれ、痛みなどがある方の服の着脱を助ける方法です。たとえば、脳卒中などで片麻痺になった場合、体の動きに左右差が生じます。この時、動かしやすい側(健側)から服を着脱しようとすると、動かしにくい側(患側)に負担がかかり、痛みを増したり、関節を痛めてしまうことがあります。脱健着患はこのような負担を軽くし、安全に服を着脱するための介助方法です。 服を脱がせる時は、まず健側から始めます。例えば、シャツを脱がせる場合、麻痺のない腕から袖を抜きます。次に、麻痺のある腕をそっと引き抜き、服を脱がせます。ズボンの場合も同様に、健側の足から脱がせ、最後に患側の足をゆっくりと抜きます。 服を着せる時は、脱がせる時と逆で、患側から始めます。シャツを着せる場合は、まず麻痺のある腕に袖を通し、次に健側の腕を通します。ズボンも同様に、患側の足から履かせ、最後に健側の足を通します。 脱健着患では、相手の状態をよく見て、無理な力を加えないように優しく丁寧に行うことが大切です。痛みや不快感がないか、声かけをしながら進めると安心です。また、着脱しやすい服を選ぶことも重要です。ボタンやファスナーがたくさん付いている服よりも、伸縮性のある素材や前開きの服の方が着脱しやすいでしょう。 着脱する時の姿勢にも気を配りましょう。座った状態で行う場合は、背もたれのある椅子に座り、安定した姿勢を保つことが大切です。寝た状態で行う場合は、体を横向きにして、介助者が支えながら行うと安全です。これらの点に注意することで、脱健着患を適切に行うことができ、要介護者の生活の質を高めることに繋がります。