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スキンテア:皮膚の裂傷を防ぐ
皮膚裂傷と呼ばれるスキンテアは、皮膚の表面に近い部分が、擦れたり、引っ張られたり、剥がれたりするなどの外からのちょっとした力によって裂けてしまう皮膚の損傷です。特にお年寄りの方は、皮膚が薄く乾燥しやすいため、注意が必要です。少しの不注意で、例えば服を着たり脱いだりする時、ベッドから起き上がる時、車椅子に移る時など、日常生活の何気ない動作で簡単に起こってしまいます。スキンテアは一見小さな傷に見えますが、痛みを伴い、そこからばい菌が入って炎症を起こす危険性も高まります。お年寄りの方の生活の質を下げ、介護する方の負担を増やす原因となるため、予防策を理解し、適切なお手入れをすることが大切です。
スキンテアは、お年寄りの方だけでなく、皮膚の弱い赤ちゃんや、ステロイドの薬を長く使っている方にも起こりやすいので、年齢に関わらず注意が必要です。また、糖尿病などの持病がある場合も、皮膚が弱くなりやすく、スキンテアになりやすいので注意が必要です。スキンテアができやすい場所は、腕、脚、手の甲など、擦れたり引っ張られたりしやすい部分です。特に、お年寄りの方の場合は、腕の外側や、すねの部分は皮膚が薄く、骨が出ているため、スキンテアができやすくなっています。
スキンテアは、適切なお手入れをすれば、多くの場合、数日から数週間で治ります。しかし、症状が重い場合や、ばい菌が入って炎症を起こした場合には、治るまでに時間がかかることもあります。そのため、早く見つけて適切な処置をすることが重要です。日頃から皮膚の状態をよく見て、少しでも異常があれば、すぐに病院や診療所を受診しましょう。