白血球

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医療

マクロファージ:体の掃除屋さん

私たちの体を守る免疫細胞の中に、掃除屋さんの役割を果たすマクロファージという細胞があります。別名では、大食細胞や貪食細胞、組織球などとも呼ばれ、白血球の一種に分類されます。マクロファージは、体内に侵入してきた細菌やウイルス、あるいは寿命を迎えた細胞の残骸などをパクパクと食べて消化する働きをしています。このおかげで、私たちの体は常に清潔に保たれ、病気から守られているのです。 マクロファージは、血液の中を流れる単球と呼ばれる細胞から生まれます。単球は血管から組織の中に入り込むと、マクロファージへと変化します。そして、それぞれの場所で掃除の役割を担います。例えば、肺では肺胞マクロファージ、肝臓ではクッパー細胞、脳ではミクログリアなど、様々な名前で呼ばれ、それぞれの場所で異物や老廃物を除去しています。まるで各部署に配置された清掃員のようです。 マクロファージの働きは、単に掃除をするだけではありません。細菌やウイルスなどの異物を消化した後、その情報をリンパ球という別の免疫細胞に伝えます。リンパ球は、この情報を受け取ると、次に同じ異物が侵入してきた際に素早く攻撃できるように準備を始めます。マクロファージは、最前線で異物と戦い、その情報を仲間に伝える司令塔のような役割も担っているのです。 このようにマクロファージは、全身の様々な場所に存在し、異物の排除、清掃、情報伝達という重要な役割を担うことで、私たちの健康維持に欠かせない存在となっています。常に体を守ってくれる頼もしい味方と言えるでしょう。
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傷と膿の関係:正しく理解しよう

膿とは、傷口などから出てくる黄白色や黄緑色のどろっとした液体のことです。化膿した時に見られることが多く、見た目にはあまり良くない印象を受けますが、実は私たちの体が細菌や異物から身を守るために起こる反応の結果として生じるものです。 体の中に細菌などの異物が侵入してくると、私たちの体はそれらと戦うために白血球という細胞を送り出します。白血球は、体内に侵入してきた細菌や異物を食べて消化し、体を守ろうとします。この戦いの過程で、白血球自身も死んでしまいます。そして、この死んだ白血球や、白血球が消化した細菌、さらに細菌によって破壊された体の組織の破片などが混ざり合ったものが膿なのです。 膿の色は、含まれている成分によって変化します。一般的には黄白色ですが、緑色の膿が出ることもあります。これは、緑膿菌などの細菌が感染している場合に見られる色で、細菌が出す色素によるものです。また、膿の粘り気も様々で、サラサラとしたものから、どろっとして粘度の高いものまであります。 膿が出ると、傷口周辺が赤く腫れ上がり、熱を持ったり、痛みを感じたりすることがあります。これは炎症反応と呼ばれ、膿とともに体を守るための反応の一つです。炎症は、細菌の増殖を抑えたり、傷の治りを早めたりするのに役立ちます。 膿は決して汚いものと決めつけるのではなく、体が細菌や異物から身を守ろうと懸命に働いている証拠だと理解することが大切です。ただし、膿の量が多い場合や、発熱などの症状を伴う場合は、自然に治癒するのを待つだけでなく、医師の診察を受けるようにしましょう。