発声障害

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音声障害:声の悩みに寄り添う

「音声障害」とは、話す、歌うといった声を出す機能に何らかの問題が生じる状態のことです。簡単に言うと、声に異常が生じて、うまく話せなくなる状態を指します。症状は様々で、声の高さや大きさ、声質の変化、かすれ、ひび割れ、痛み、息苦しさ、声の出しづらさ、疲れやすさなど、多様な形で現れます。 これらの症状は、風邪などのように一時的なものから、声帯ポリープなどのように慢性的なものまで様々です。症状が一時的なものであれば、自然に治ることもありますが、長引く場合には日常生活に支障をきたすこともあります。例えば、先生やアナウンサー、歌手、俳優、声優など、声をよく使う職業の方は、音声障害によって仕事に大きな影響が出る可能性があります。 音声障害は、単に声を出すことが難しくなるだけでなく、円滑な意思疎通を阻害し、社会生活を送る上で大きな負担となることもあります。円滑な意思疎通が困難になると、孤立感や疎外感を抱き、社会参加への意欲が低下する可能性も懸念されます。 さらに、音声障害は身体的な問題だけでなく、心理的なストレスや不安感、抑うつ感にもつながることがあります。声はコミュニケーションにおいて重要な役割を担っており、声に問題が生じることで、人と話すことへの抵抗感や恐怖心、劣等感を抱く人もいます。このような心理的な影響は、日常生活だけでなく、仕事や人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 音声障害には様々な原因が考えられます。声の使い過ぎや誤った発声、風邪などの感染症、声帯ポリープなどの器質的な異常、加齢による変化、心理的な要因など、多岐にわたります。そのため、もしも声に異常を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医による適切な診断と治療を受けることが重要です。早期に発見し、適切な対応をすることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
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構音障害:理解と支援のポイント

構音障害とは、声は出るのに、言葉が明瞭でなく、聞き取りにくい状態を指します。具体的には、舌が絡まるように聞こえたり、発音が不明瞭で、何を言っているのか理解しづらい話し方になります。本人は伝えたい言葉や内容をしっかりと理解しているにもかかわらず、口や舌、喉、肺といった発声に関わる器官の動きに問題が生じるため、思ったように発声することができません。 構音障害は、単に滑舌が悪いというのとは異なり、身体的な機能の問題が原因です。脳卒中や脳腫瘍、神経系の病気、また、口や顎の手術後などに発症することがあります。生まれつき口蓋裂などの異常がある場合にも、構音障害が現れることがあります。 構音障害のある方と会話する際には、周囲の配慮と工夫が大切です。まず、静かな場所で話すように心がけ、周りの雑音を減らすことで、聞き取りやすくなります。話す速度を速めすぎず、ゆっくりと、はっきりとした口調で話しかけることも重要です。また、話の内容を理解しようと努め、聞き取れなかった場合は、遠慮なく聞き返すようにしましょう。すぐに言い直すのではなく、「〇〇と言いましたか?」のように、確認するように質問すると、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。 焦らず、落ち着いて会話をすることが重要です。ゆっくりと時間をかけてコミュニケーションを取ることで、構音障害のある方も安心して話すことができます。表情や身振り、手振りなども活用しながら、積極的にコミュニケーションを図る姿勢が大切です。もし、会話が難しいと感じた場合は、文字を書いたり、絵を描いたり、指差しで伝えたりするなど、他のコミュニケーション方法を試みるのも良いでしょう。このような工夫によって、円滑な意思疎通を図ることができます。