現病歴

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現病歴:病気の物語

現病歴とは、現在かかっている病気について、どのように始まって、どのように変化してきたかを時系列でまとめた記録のことです。これは、お医者さんが病気を診断し、治療方針を決める上でとても大切な情報となります。 まず、病気がいつ始まったのかを明確にする必要があります。例えば、風邪のような症状であれば、「3日前から」のように具体的な日付を記録します。また、けがであれば、「昨日階段で転んでから」のように、いつ、どのような状況で起こったのかを記録します。 次に、症状がどのように現れたのか、どのように変化してきたのかを詳しく記録します。例えば、発熱の場合、「最初は微熱だったが、昨日から38度を超えるようになった」のように、体温の変化を記録します。咳の場合、「最初は乾いた咳だったが、今は痰が出るようになった」のように、咳の様子がどのように変化したかを記録します。痛みがある場合は、痛みの程度(軽い、鈍い、激しいなど)や、痛む場所、持続時間などを記録します。 さらに、これまでにどのような医療機関を受診したか、どのような治療を受けたかも記録します。例えば、「近所の診療所で風邪薬をもらったが、症状が改善しないので、大きな病院を受診した」のように、受診した医療機関と受けた治療内容を記録することで、お医者さんは適切な判断をすることができます。 現病歴には、過去の病気やけが、手術の経験なども含まれることがあります。これらは必ずしも現在の病気と直接関係があるとは限りませんが、関連性がある場合は、お医者さんに伝えることが大切です。 自分の病気を理解するためにも、現病歴を把握することは重要です。また、お医者さんとのやり取りをスムーズにするためにも、日頃から自分の症状を記録する習慣をつけておきましょう。
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処方箋のRx、知っていますか?

病院で診察を受け、お薬が必要な場合は、医師が処方箋を書いてくれます。この処方箋には、患者さんの名前や住所、薬の名前や服用方法など、様々な情報が細かく書かれています。そして、処方箋をよく見ると、「Rx」という記号が必ず書かれていることに気付くでしょう。一体この「Rx」は何を意味するのでしょうか。 この「Rx」は、ラテン語の「Recipe(レシピ)」の省略形で、「受け取れ」という意味の命令形です。つまり、医師が薬剤師に出す指示なのです。昔は、薬剤師が患者さん一人ひとりに合わせて、生薬などを調合して薬を作っていました。医師は処方箋に「Rx」と書くことで、薬剤師に薬の調合を指示していたのです。「Rx」に続く部分には、薬の種類や量、服用方法などが具体的に書かれており、薬剤師はこの指示に従って、必要な薬を調合していました。 現在では、ほとんどの薬が製薬会社で既に調合され、作られています。そのため、薬剤師が薬を調合する機会は少なくなりました。しかし、処方箋には今でもこの伝統的な「Rx」の記号が記されています。時代は変わっても、「Rx」は医師から薬剤師への指示であるという意味は変わっていません。医師が処方した薬を、患者さんが安全に正しく服用できるように、「Rx」という記号は処方箋において今でも重要な役割を担っているのです。
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処方箋のPI、知っていますか?

お薬をもらうための紙である処方せんをよく見ると、「PI」という記号が書かれていることがあります。この「PI」はどういう意味を持っているのでしょうか。実は、「PI」はラテン語の「プラエスクリプティオ・インターナ」の頭文字をとったもので、日本語では「内服処方」という意味になります。つまり、口から飲むお薬が処方されていることを示す記号なのです。 お医者さんが患者さんの体の状態に合わせてお薬を出すとき、口から飲むお薬以外にも、注射をするお薬や体に塗るお薬など、色々な種類のお薬があります。「PI」は、その中で口から飲むお薬であることをはっきりと示すために使われています。ですから、「PI」の横に書かれているお薬は、必ず口から飲むお薬です。注射や体に塗るお薬と間違って使わないように、「PI」の記号はとても大切な役割を担っていると言えるでしょう。 例えば、風邪をひいて病院に行ったとします。お医者さんがあなたの症状を見て、のどを楽にするための錠剤と、熱を下げるための粉薬を出してくれたとしましょう。この場合、処方せんには「PI」の記号とともに、それらのお薬の名前と飲む量、飲む回数などが書かれます。もし、他に塗り薬などが出されていれば、「PI」とは別の場所に記載されます。このように、「PI」の記号があることで、どの薬をどのように使えばいいのかがはっきりと分かります。 また、「PI」は処方せんだけでなく、お薬についての詳しい情報が書かれた紙にも書かれていることがあります。お薬の情報を見るときに、「PI」の記号の意味を知っておくと、お薬の種類や使い方をより正しく理解することができます。お薬を安全に正しく使うためにも、「PI」という小さな記号が大きな意味を持っていることを覚えておきましょう。
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カルテ用語OC:現病歴の理解

現病歴とは、患者さんが今まさに抱えている病気や不調について、その始まりから現在までの変化を時間順に詳しく記録したものです。これは、医師が病気の本当の原因を探り、診断を下し、治療方針を決める上で非常に大切な情報源となります。カルテにはよく「OC」または「PI」と略して書かれています。 現病歴を作る際は、患者さん自身が自分の言葉で説明した内容がもとになります。そのため、患者さん自身の感じ方や考え方が含まれる、いわば主観的な記録となります。しかし、この主観的な情報こそが、患者さんの状態を深く理解する手がかりとなるのです。もちろん、客観的な検査データなども合わせて、全体を見ながら判断することで、より確かな診断へと繋がります。 現病歴は、一度書いたら終わりではありません。病状が変化したり、新しい症状が現れたりする度に、その都度更新していく必要があります。過去の記録と見比べることで、病気がどのように進んでいるのか、治療がどれくらい効いているのかを評価することができます。例えば、以前は痛みが強かったのに、今は楽になった、あるいは熱が下がったといった変化を記録することで、治療の効果を客観的に判断できるのです。また、新たな症状が現れた場合、それが最初の病気と関係があるのか、それとも別の病気なのかを判断する材料にもなります。 このように、正確で詳しい現病歴の記録は、質の高い医療を提供するために欠かせないものと言えるでしょう。患者さん一人ひとりの状況を丁寧に記録し、それを基に治療を進めていくことで、より良い医療の実現へと繋がっていくのです。