片麻痺

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その他

利き手交換:新たな可能性

利き手交換とは、これまで使い慣れていた利き手とは反対の手を、新しい利き手として使えるように練習することです。たとえば、右利きの人が左手を、左利きの人が右手を新たに利き手として使う訓練を指します。 この訓練が必要となるのは、主に脳卒中や事故、怪我などによって、それまで使っていた利き手が麻痺してしまった場合や、あるいは切断を余儀なくされた場合などです。日常生活を送る上で必要となる様々な動作を、残された使える手で確実に行えるようにするために行われます。 具体的には、これまでとは反対の手で、文字を書いたり、箸を使って食事をしたり、服を着たり脱いだりするといった、日常生活における様々な動作を一つ一つ練習し、新たに習得していくことになります。これは決して容易なことではなく、非常に根気のいる、長く地道な訓練の積み重ねが必要です。 利き手交換は、身体機能の回復を目指すリハビリテーションの一環として行われます。リハビリテーションの中でも、日常生活の自立度を高める上で特に重要な位置を占めています。日常生活の動作をスムーズに行えるようになると、生活の質の向上に繋がります。また、精神的な負担の軽減にも大きく貢献します。 利き手交換は、専門家である作業療法士などの指導のもとで行われることが一般的です。個々の状況に合わせて、無理のないプログラムが作成され、その人に合った適切な訓練が提供されます。焦らず、少しずつ着実に練習を重ねていくことが大切です。
医療

片麻痺のリハビリと介助

片麻痺とは、体の左右どちらか片側に運動麻痺が生じる状態のことです。脳卒中、特に脳梗塞や脳出血といった脳の血管の病気が原因で起こることが多く、損傷を受けた脳の反対側に麻痺が現れます。例えば、右側の脳に損傷が生じると左半身に、左側の脳に損傷が生じると右半身に麻痺が現れます。 麻痺の程度は人によって様々です。軽度の場合は、指先の細かい作業、例えば箸を使ったりボタンをかけたりすることが難しくなる程度ですが、重度の場合は腕全体や脚全体が全く動かせなくなることもあります。また、麻痺以外にも様々な症状を伴う場合があります。皮膚の感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったりする感覚障害や、言葉がうまく話せなくなったり、相手の言うことが理解できなくなったりする言語障害、食べ物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害などが挙げられます。 これらの症状によって、日常生活に様々な支障が生じます。衣服の着脱や食事、トイレ、入浴といった身の回りの動作が一人で行えなくなるため、家族や介護士による介護や介助が必要となるケースが多いです。 片麻痺からの回復には、早期のリハビリテーション開始が非常に重要です。発症後できるだけ早くリハビリテーションを開始することで、麻痺の程度を軽くし、日常生活動作の改善を図ることができます。発症直後から集中的なリハビリテーションを行うことで、脳の神経回路が再編成され、失われた機能を回復させる可能性が高まるからです。そのため、片麻痺を発症した場合は、迅速な対応と適切なリハビリテーションの実施が不可欠です。