流行性耳下腺炎

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医療

おたふく風邪のすべて

おたふく風邪は、正式には流行性耳下腺炎という名前の、ウイルスによって起こる感染症です。耳の下にある唾液腺である耳下腺が腫れるのが主な特徴です。顔がハムスターのように丸く膨らんで見えることから、おたふく風邪という呼び名がつきました。 このウイルスは、空気感染、咳やくしゃみによる飛沫感染、そして接触感染で広がります。感染力がとても強いことが知られています。特に、子供の頃に集団でかかりやすい病気です。一度かかると、ほとんどの場合、その後の人生で再びかかることはありません。しかし、まれに大人になってから感染することもあります。大人がかかると、合併症を起こす危険性が高まるので、注意が必要です。 おたふく風邪の症状は、耳下腺の腫れの他に、熱が出たり、頭が痛くなったり、体がだるくなったりすることもあります。多くの場合、一週間から二週間ほどで自然に治ります。しかし、症状が重くなると、髄膜炎や難聴といった合併症を引き起こす可能性があります。髄膜炎は脳や脊髄の周りを覆う膜に炎症が起こる病気で、難聴は耳が聞こえにくくなる症状です。そのため、おたふく風邪かもしれないと思ったら、すぐに病院に行って診てもらうことが大切です。適切な治療を受けることで、症状を軽くしたり、合併症を防いだりすることができるからです。 また、おたふく風邪は感染力が強いため、周りの人にうつさないように気を配ることも重要です。咳やくしゃみをするときは口と鼻を覆ったり、マスクを着用したりする、石けんと流水でこまめに手を洗う、タオルや食器などの共有を避けるといった対策を心がけましょう。周りの人への思いやりが、感染拡大を防ぐことにつながります。