流動食

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食事の介助

流動食:噛まずに食べられる食事

流動食とは、噛むことや飲み込むことが難しい方でも容易に食べられる、液体状の食事のことです。口にしたとたんに液体になるものも含まれます。例えば、プリンやヨーグルト、ゼリーなども流動食に分類されます。固形物をうまく飲み込めない、あるいは消化器官の働きが弱っている方にとって、流動食は必要な栄養を補う大切な手段です。 手術後や病気からの回復期など、体が弱っている時は、消化器官への負担を軽くすることが重要です。このような時期には、流動食は消化しやすいという利点があります。また、口や喉の手術後、噛む、飲み込むという動作が難しい場合にも、流動食は大きな役割を果たします。栄養をしっかりと摂りながら、体の回復を助けるのです。 さらに、噛む力や飲み込む力が弱くなった高齢の方にとっても、流動食は有用です。滑らかで飲み込みやすい流動食は、誤嚥(食べ物が気管に入ってしまうこと)のリスクを軽減し、安全に食事を楽しめるようにします。 流動食には、様々な種類があります。おかゆをミキサーにかけたものや、野菜を細かく刻んで煮込んだスープ、あるいは市販の栄養補助飲料など、個人の状況や好みに合わせて選ぶことができます。また、家庭で作る際には、食材の栄養バランスや衛生面に気を配ることが大切です。最近では、見た目にも美しく、風味豊かな流動食も増えてきており、食べる喜びを感じながら栄養を摂取できるよう工夫されています。 流動食は、単に食べ物を液体状にしたものではありません。食べることの喜びを諦めることなく、必要な栄養をしっかりと摂り、健康を維持するための、患者さんにとって優しい食事と言えるでしょう。