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胃瘻造設:内視鏡を用いた方法
口から十分な食事をとることが難しい方にとって、栄養を補給するために胃に直接栄養を送る胃瘻は、健康を維持する上でとても大切な方法です。胃瘻にはいくつか種類がありますが、近年ではお腹を大きく切らずに、内視鏡を使って胃に小さな穴を開け、チューブを通して栄養を送る経皮内視鏡的胃瘻造設術(略してペグ)が広く行われています。これは、従来のお腹を切る手術に比べて、体に負担が少なく、回復までの期間も短いという大きな利点があります。
ペグは、全身麻酔ではなく、のどや鼻に麻酔をして行うため、体の負担が少ないのが特徴です。また、入院期間も短く、多くの場合、手術後数日から一週間程度で退院することができます。これは、患者さんの生活の質を維持する上で重要な点です。さらに、ペグの手術費用は健康保険が適用されるため、経済的な負担も軽減されます。
しかし、ペグにもデメリットや合併症のリスクは存在します。例えば、手術後、胃瘻の周囲が赤く腫れたり、痛みを感じたりする場合があります。また、チューブが詰まったり、抜けてしまうといったトラブルも起こる可能性があります。このような合併症を防ぐためには、正しい管理と適切なケアが不可欠です。
日々の介護では、清潔な状態を保つことが最も重要です。胃瘻の周囲の皮膚は清潔に保ち、定期的に消毒を行い、感染症を防ぎましょう。また、栄養剤の注入速度や量、温度にも注意が必要です。栄養剤は適切な温度に保ち、ゆっくりと注入することで、吐き気や下痢などの消化器症状を予防することができます。
介助する際は、患者さんの気持ちを尊重し、プライバシーに配慮することが大切です。また、患者さんの状態を常に観察し、異変があればすぐに医療機関に相談しましょう。栄養状態の管理だけでなく、心のケアも忘れずに行うことが、患者さんの生活の質を高めることに繋がります。