支持基底面

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移動の介助

安定した動作の鍵:支持基底面

体を支える土台となる面積のことを、支持基底面と言います。これは、床に接している体の部分や、体を支える道具が床と接する部分全体を指します。 立っている場合は、両足の裏が床に触れている範囲が支持基底面です。両足を揃えて立つよりも、肩幅程度に開いて立つ方が、支持基底面が広くなります。この時、支持基底面が広がるほど、ぐらつきにくく安定した姿勢を保ちやすくなります。例えば、電車の中で立っている時、急ブレーキがかかっても踏ん張ることができます。両足を大きく開けば開くほど、支持基底面は広くなり、より安定感が増します。 椅子に座っている場合は、お尻と太もも、そして足の裏が床や足置きに触れている部分が支持基底面となります。椅子に深く腰掛け、足を床につけた状態では、支持基底面は広くなり安定します。逆に、浅く腰掛けて足を組んでいる状態では、支持基底面は狭くなり不安定な姿勢となります。 杖や歩行器を使っている場合は、それらの接地面も支持基底面に含まれます。杖を使うと、片足立ちの時よりも支持基底面が広がり、安定して歩くことができます。歩行器を使う場合は、四点で床に接するため、支持基底面はさらに広くなり、より安定感が増します。車椅子に乗っている場合は、車椅子の車輪が接する部分が支持基底面となります。 このように、支持基底面が広いほど、体のバランスは保ちやすくなります。日常生活の中で、立ち上がる、歩く、座るといった動作を行う際、無意識のうちに支持基底面を調整することで、私たちは転倒することなく安定した動きを維持しています。体の状態や状況に応じて、適切な支持基底面を確保することが、安全で快適な生活を送る上で重要です。