慢性疾患

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気づきにくい慢性緑内障

緑内障は、気づかないうちに少しずつ病気が進んでいくことが大きな特徴です。「緑内障」という名前はよく耳にする病気かもしれませんが、実際どのような病気か、正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。緑内障は、眼の奥にある視神経が傷つくことで、視野が狭くなったり、視力が低下する病気です。視野とは、目で見える範囲全体のことを指します。 この病気の怖いところは、初期段階では自覚症状がほとんどないという点です。視野が少しずつ狭くなっていっても、日常生活の中で気づきにくいのです。たとえば、少し視野が狭くなったとしても、脳が周囲の情報から欠けている部分を補完するため、本人は視野の欠損に気づきません。そのため、かなり病気が進行するまで自覚症状が現れない場合が多く、異常に気づいたときには、既にかなり視野が狭くなっているというケースも少なくありません。 また、初期段階では視力検査で正常範囲内の数値を示すことも多いため、視力に問題がないと思って安心してしまう人もいます。しかし、視力は視野の中心部分を見る力であり、視野全体の状態を示すものではありません。視力は正常でも、視野の周辺部分が狭くなっている可能性は十分にあります。 早期発見、早期治療が非常に重要となるため、定期的な眼科検診を強くおすすめします。特に、高齢者や緑内障の家族歴がある人は、緑内障を発症するリスクが高いと考えられていますので、年に一度は眼科を受診するようにしましょう。早期に発見し、適切な治療を開始することで、病気の進行を遅らせ、視力低下や失明などの深刻な事態を防ぐことが可能になります。
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慢性疾患と介護・介助の関わり

慢性疾患とは、長い期間にわたり続く病気で、持続的な治療が必要です。数年、数十年、あるいは生涯にわたって付き合っていく必要がある場合もあります。このような病気は、完全に治すことが難しいことが多く、症状を和らげ、進行を抑えることを目指した治療が行われます。 代表的な慢性疾患には、糖尿病があります。糖尿病は、血液中の糖の濃度が高くなる病気で、食事療法や運動療法、薬物療法などが必要になります。また、高血圧も慢性疾患の一つです。高血圧は、血管に負担がかかり、心臓病や脳卒中などのリスクを高めるため、継続的な血圧管理が重要です。同様に、高コレステロール血症も、血管の健康に影響を与える慢性疾患で、食事療法や薬物療法でコレステロール値をコントロールする必要があります。 腎臓病も、慢性疾患の代表例です。腎臓の機能が低下すると、老廃物が体内に蓄積され、様々な症状が現れます。人工透析が必要になる場合もあります。関節の痛みや腫れを伴う関節炎、息苦しさや咳が続く呼吸器疾患、特定の物質に対する過剰反応であるアレルギー、認知症、心臓や血管の機能が低下する循環器疾患なども、慢性疾患に分類されます。 これらの慢性疾患は、年齢を重ねるにつれて発症しやすくなります。これは、体の様々な機能が加齢とともに衰えていくためです。呼吸や排泄、血液の循環といった体の基本的な機能の低下が、慢性疾患の発症につながることがあります。 慢性疾患は、初期段階では自覚症状がない場合が多く、病気に気づかないまま病状が進行してしまうことがあります。そのため、定期的な健康診断を受けて、早期に発見することが重要です。早期発見によって、適切な治療を早く開始することができます。また、日々の生活習慣を改善することも、慢性疾患の予防や症状の緩和に役立ちます。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠などを心がけることが大切です。
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慢性結膜炎:知っておくべき症状と対策

慢性結膜炎は、目の表面を覆っている薄い膜、結膜に炎症が起きて、それが長く続く病気です。急性の結膜炎のように急に症状が出ることはなく、比較的軽い充血やかゆみなどの症状が長引きます。一般的には、四週間以上症状が続くと慢性結膜炎と診断されます。症状が軽くても放っておくと、視力が下がったりするなど、重い問題につながることもあるので、早く診断を受けて、きちんと治療することが大切です。 慢性結膜炎の原因は様々です。細菌やウイルスによる感染、アレルギー反応、目が乾くドライアイ、刺激のあるものにさらされることなどが挙げられます。また、体全体の病気から来る場合もあります。ですから、自分で判断して治療するのではなく、眼科の先生に診てもらって正しい診断を受けることが重要です。 慢性結膜炎の治療法は、原因によって違います。細菌感染が原因の場合は、抗菌の目薬を使います。アレルギーが原因の場合は、抗アレルギーの目薬や飲み薬を使います。ドライアイが原因の場合は、人工涙液などの目薬を使って目を潤します。刺激物が原因の場合は、その刺激物を取り除くことが重要です。また、場合によっては、ステロイドの目薬や飲み薬を使うこともあります。症状に合わせて、医師が適切な薬を選びます。 慢性結膜炎は、きちんと治療すれば治る病気です。しかし、放っておくと視力に影響が出たり、他の目の病気を併発する可能性もあります。少しでも気になる症状があれば、早めに眼科を受診しましょう。目の健康を守るためには、定期的な検査も大切です。
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慢性気管支炎:咳や痰に隠れた危険

慢性気管支炎は、咳や痰などの症状が長期間続く病気です。医学的には、少なくとも一年に三か月以上、二年続けて咳や痰の症状が現れる場合に慢性気管支炎と診断されます。この病気は、肺に空気を送るための大切な通り道である気管支に炎症が起き、ねばねばした液である粘液が過剰に作られることが原因です。 気管支は、肺に空気を送るための重要な器官です。慢性的な炎症によって気管支の働きが弱まると、呼吸が苦しくなることがあります。初期の段階では、朝方に咳や痰が出やすい傾向がありますが、病気が進むにつれて一日中症状が現れるようになります。また、風邪などの感染症にかかりやすくなることもあります。 慢性気管支炎の主な原因の一つは喫煙です。たばこの煙には、気管支を刺激し炎症を起こす有害物質が多数含まれています。そのため、喫煙者は特に注意が必要です。受動喫煙も危険因子となるため、周囲の人の喫煙にも配慮することが大切です。その他、工場や車の排気ガスなどによる大気汚染や、特定の化学物質へのさらされ続けることも、発症の危険性を高める要因となります。 慢性気管支炎は、放っておくと息切れや呼吸困難などの症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。重症化すると、呼吸不全に陥ることもあり、入院が必要となるケースもあります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。咳や痰が続く場合は、早めに医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。医師の指示に従って治療を続けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活の質を維持することが期待できます。
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知っておきたい2型糖尿病

2型糖尿病は、生活習慣病の代表的な病気の一つです。食べ過ぎや運動不足、肥満といった生活習慣が積み重なることで、すい臓から出るインスリンというホルモンの働きが悪くなったり、量が足りなくなったりすることで発症します。インスリンは、血液中のブドウ糖を体の細胞に取り込んで、エネルギーとして使えるようにする大切な役割を担っています。2型糖尿病になると、このインスリンの働きがうまくいかなくなるため、血液中にブドウ糖が過剰に溜まってしまうのです。主な原因としては、食べ過ぎによるカロリーの過剰摂取、運動不足によるエネルギー消費の減少、肥満によるインスリン抵抗性の増大などが挙げられます。また、精神的な負担や家系に2型糖尿病の方がいる場合も、発症リスクが高まると言われています。特に40歳を過ぎたあたりから発症する人が多く見られますが、近年では食生活の変化や運動不足の影響で、若い世代での発症も増加傾向にあるため、注意が必要です。2型糖尿病の怖いところは、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。そのため、気づかないうちに病気が進行し、放置すると網膜症や腎臓病、神経障害、動脈硬化といった深刻な合併症を引き起こす危険性があります。合併症によって、視力の低下や体のしびれ、足の壊疽といった症状が現れ、生活の質を大きく低下させてしまう可能性もあるのです。こうした事態を防ぐためには、定期的な健康診断を受け、血液検査で血糖値を測ることが非常に重要です。早期に発見し、適切な治療を開始することで、合併症のリスクを減らし、健康な生活を長く続けることができるのです。食生活の改善や適度な運動といった生活習慣の見直し、必要に応じて薬物療法などを組み合わせることで、血糖値をコントロールし、健康を維持していくことが大切です。