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慢性涙のう炎とは?その症状と治療法
目は、常に涙で潤されています。この涙は、目を守り、滑らかに動かすために欠かせません。涙は、目頭の少し内側にある小さな穴(涙点)から細い管(涙小管)を通って涙のうへと流れ、さらに鼻涙管という管を通って鼻へと排出されます。この鼻涙管が詰まってしまうと、涙がうまく流れなくなり、涙のうに涙が溜まり、細菌感染を起こしやすくなります。これが涙のう炎です。
涙のう炎には、急に症状が現れる急性涙のう炎と、ゆっくりと進行し長引く慢性涙のう炎の二つの種類があります。急性涙のう炎は、涙のうの部分が赤く腫れ上がり、痛みを伴うのが特徴です。時に、黄色っぽい膿が出ることもあります。一方、慢性涙のう炎は、目頭を押すと涙点から膿が出ることがありますが、痛みはあまり強くありません。高齢の方や生まれたばかりの赤ちゃんに多く見られます。
慢性涙のう炎は、涙の排出が滞ることで細菌が繁殖しやすく、炎症が慢性化することが原因です。涙のう炎をそのままにしておくと、視力に影響が出る可能性もあります。また、日常生活でも、涙が常に目に溜まっているため、見えにくくなったり、不快感を感じたりすることがあります。そのため、涙のう炎の症状に気づいたら、早めに眼科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。