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医療

お酒が引き起こす認知症:アルコール性認知症

お酒をたくさん飲むことが、もの忘れがひどくなる病気である認知症につながることをご存知でしょうか。長年にわたってたくさんお酒を飲むと、脳が傷ついてしまい、アルコール性の認知症という病気を引き起こすことがあります。 この病気は、お酒に含まれるアルコールが脳の細胞を壊してしまうことが原因です。思い出したり、考えたり、判断したりといった脳の働きが、お酒のせいでうまくいかなくなってしまうのです。症状は人によって様々ですが、もの忘れがひどくなるというのはよくある症状の一つです。例えば、さっき聞いた話をすぐに忘れてしまったり、約束を忘れてしまったりすることが多くなります。また、自分が今どこにいるのか、今日は何日なのかが分からなくなることもあります。さらに、新しいことを覚えにくくなったり、感情が不安定になって、急に怒り出したり、泣き出したりすることもあります。 これらの症状は、毎日の生活に困りごとが増えるだけでなく、社会の中で人と関わったり、仕事をするのが難しくなることもあります。しかし、早く気づいてきちんと治療を受ければ、症状が進むのを遅らせて、今まで通りの生活を続けることができる可能性が高まります。ですから、少しでも気になることがあれば、早めに専門のお医者さんに相談することが大切です。 また、アルコール性の認知症は、本人だけでなく、家族や周りの人の理解と協力がとても大切です。お酒の問題を抱えている人がいたら、病気のことを正しく理解し、温かく見守りながら、適切な治療を受けられるように支えてあげましょう。家族や周りの人の支えが、回復への大きな力となります。
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前頭側頭型認知症:知っておきたい特徴と対応

前頭側頭型認知症は、脳の額側前方の前頭葉と耳側の側頭葉が縮んでしまうことで起こる認知症の一種です。もの忘れが主な症状であるアルツハイマー型認知症とは異なり、前頭側頭型認知症は、行動や人格の変化、言葉の理解や発語といった言語能力の低下が初期症状として現れることが特徴です。例えば、以前は温厚だった人が急に怒りっぽくなったり、周りの人に無関心になったり、同じ言葉を繰り返したり、言葉の意味が理解できなくなったりすることがあります。これらの変化は、社会生活に大きな支障をきたし、家族や友人との関係を難しくする可能性があります。例えば、社会的なマナーやルールを守れなくなったり、衝動的な行動が増えたり、周囲の状況を理解することが難しくなるため、日常生活を送る上で様々な困難が生じます。また、感情のコントロールが難しくなり、急に泣き出したり、笑ったりするなど、感情の起伏が激しくなる場合もあります。前頭側頭型認知症の進行速度は人によって大きく異なります。ゆっくりと症状が進む人もいれば、急速に悪化する人もいます。病状の進行に伴い、徐々に日常生活動作にも支障が現れ、食事や着替え、入浴などの介助が必要になることもあります。また、徘徊や妄想、幻覚などの症状が現れる場合もあります。早期に診断を受け、適切な対応をすることが重要です。現在のところ、前頭側頭型認知症を根本的に治す治療法はありませんが、症状を和らげる薬物療法や、日常生活を支援するための非薬物療法があります。周囲の理解と適切なサポートがあれば、より良い生活を送ることが可能になります。