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医療における納得と同意:インフォームドコンセント
医療行為を受ける際には、患者さんが自分の体や健康について自分で決めることがとても大切です。そのためには、お医者さんから受ける治療について、どんな内容で、どのような効果やリスクがあるのか、他にどんな方法があるのかなどをしっかり理解し、納得した上で同意することが必要です。この一連の流れを「説明と同意」と言います。これは、ただお医者さんの指示に従うのではなく、患者さん自身が治療の進め方を決めることに参加するという意味で、より良い医療につながります。
患者さん中心の医療を実現するために、「説明と同意」は重要な土台となります。お医者さんは、患者さんが理解しやすいように、治療の内容、期待される効果だけでなく、起こりうる副作用や合併症、他の治療法の選択肢、治療を受けなかった場合の見通しなどについて、丁寧に説明する必要があります。また、費用についても説明することが求められます。患者さんは、わからないことや不安なことを遠慮なく質問し、納得いくまで説明を受ける権利があります。家族や親しい人に相談することも良いでしょう。十分な時間をかけて、患者さんが自分の状況を理解し、治療について納得した上で意思決定を行うことが重要です。
適切な説明と患者さんの理解に基づいた合意形成は、お医者さんと患者さんの信頼関係を築き、治療に前向きに取り組む意欲を高めます。また、治療中に起こりうる問題や予想外の事態にも、協力して対応できるようになります。説明と同意は、患者さんの権利を守るだけでなく、より良い医療の実現のために欠かせないものです。患者さんもお医者さんも、この重要性を理解し、共に協力していくことが大切です。