心身機能回復

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医療

医療現場におけるリハビリテーション

「回復」という意味を持つリハビリテーションという言葉は、近年よく耳にするようになりました。しかし、その言葉が持つ意味は実に広く、一口にリハビリテーションといっても様々な種類があります。医療機関で行われる医療的なリハビリテーション以外にも、仕事への復帰を支援する職業リハビリテーション、社会生活への復帰を支える社会リハビリテーション、子供たちの発達や学習をサポートする教育リハビリテーション、そして技術開発を行うリハビリテーション工学など、実に多様な分野が存在します。 これらのリハビリテーションは、それぞれ対象となる人や目的、そして提供される内容が異なります。例えば、職業リハビリテーションは、病気や怪我で仕事が難しくなった人が再び働けるように支援します。住まいや移動、人間関係など、生活の様々な側面から社会復帰を支えるのが社会リハビリテーションです。また、教育リハビリテーションは、発達がゆっくりだったり、学習に困難を抱える子供たちを主に支援します。リハビリテーション工学は、工学の知識を活かしてリハビリテーションを支える道具や技術を開発・研究する分野です。このように、リハビリテーションとは様々な側面を持つ幅広い考え方であり、人々の暮らしをより良くするために大きく役立っています。 医療機関で行われる医療リハビリテーションは、これらのリハビリテーションの中でも特に重要な役割を担っています。病気や怪我、あるいは年を重ねることで衰えてしまった体の働きや心の働きを、再び良くしたり、維持したり、さらに高めることを目指します。医師や看護師はもちろんのこと、体の動きの回復を専門とする理学療法士、日常生活動作の改善を専門とする作業療法士、ことばやコミュニケーションの改善を専門とする言語聴覚士など、様々な専門家が力を合わせて、患者さん一人一人に合わせた総合的な支援を提供します。つまり、医療現場でのリハビリテーションは、ただ体の機能を回復させるだけでなく、患者さんが社会に戻り、より良い生活を送れるように幅広く支える大切な役割を担っているのです。