後遺症

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片麻痺のリハビリと介助

片麻痺とは、体の左右どちらか片側に運動麻痺が生じる状態のことです。脳卒中、特に脳梗塞や脳出血といった脳の血管の病気が原因で起こることが多く、損傷を受けた脳の反対側に麻痺が現れます。例えば、右側の脳に損傷が生じると左半身に、左側の脳に損傷が生じると右半身に麻痺が現れます。 麻痺の程度は人によって様々です。軽度の場合は、指先の細かい作業、例えば箸を使ったりボタンをかけたりすることが難しくなる程度ですが、重度の場合は腕全体や脚全体が全く動かせなくなることもあります。また、麻痺以外にも様々な症状を伴う場合があります。皮膚の感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったりする感覚障害や、言葉がうまく話せなくなったり、相手の言うことが理解できなくなったりする言語障害、食べ物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害などが挙げられます。 これらの症状によって、日常生活に様々な支障が生じます。衣服の着脱や食事、トイレ、入浴といった身の回りの動作が一人で行えなくなるため、家族や介護士による介護や介助が必要となるケースが多いです。 片麻痺からの回復には、早期のリハビリテーション開始が非常に重要です。発症後できるだけ早くリハビリテーションを開始することで、麻痺の程度を軽くし、日常生活動作の改善を図ることができます。発症直後から集中的なリハビリテーションを行うことで、脳の神経回路が再編成され、失われた機能を回復させる可能性が高まるからです。そのため、片麻痺を発症した場合は、迅速な対応と適切なリハビリテーションの実施が不可欠です。
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脳卒中と介護・介助

脳卒中とは、脳の血管にトラブルが生じ、脳の働きが損なわれてしまう病気です。脳は、からだのさまざまな機能を調整する大切な役割を担っています。ちょうど、複雑な機械を動かすための指令室のような存在です。この指令室に問題が起きると、体にさまざまな不調が現れます。 脳卒中には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、脳の血管が詰まってしまう「脳梗塞」です。これは、血管の中に血のかたまりなどができて、血液の流れが阻害されることで起こります。もう一つは、脳の血管が破れてしまう「脳出血」です。これは、高血圧などが原因で血管がもろくなり、破裂することで起こります。どちらの場合も、脳への血液供給が途絶え、脳細胞が酸素や栄養を受け取れなくなってしまうため、脳の機能が損なわれてしまいます。 脳卒中で脳の働きが損なわれると、体にさまざまな麻痺や障害が現れます。例えば、手足の麻痺によって歩くことや食事、服を着替えるといった日常の動作が難しくなることがあります。また、言葉がうまく話せなくなったり、口がもつれてしまうこともあります。さらに、意識がなくなったり、記憶がなくなったり、ものごとを理解する力や判断する力が低下するといった症状が現れる場合もあります。これらの症状は、脳のどの部分が損傷を受けたかによって大きく異なります。 脳卒中は命に関わる重大な病気であり、後遺症が残ってしまうことも少なくありません。後遺症によって、日常生活に支障が出て、介護が必要になる場合もあります。そのため、脳卒中にならないための予防や、早期発見、早期治療が非常に大切です。また、後遺症が残ってしまった場合には、適切な対応やリハビリテーションを行うことで、少しでも日常生活の自立度を高めることが重要です。
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脳梗塞のリハビリテーション:介護と介助

脳梗塞は、脳の血管が詰まることで起こる病気です。血管が詰まると、血液が脳に届かなくなり、脳の細胞が傷ついてしまいます。このため、様々な症状が現れます。詰まり方には大きく分けて三つの種類があります。 一つ目は、ラクナ梗塞と呼ばれるものです。これは、脳の奥深くにある細い血管が、動脈硬化によって徐々に狭くなり、最終的に完全に詰まってしまうことで起こります。動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなることで、加齢とともに誰にでも起こりうる変化です。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病があると、動脈硬化が進行しやすくなります。 二つ目は、アテローム血栓性脳梗塞です。これは、コレステロールなどが血管の壁にたまり、血管の内側が狭くなっていくことで起こります。狭くなった部分で血液の流れが滞り、血の塊(血栓)ができやすくなります。この血栓が血管を完全に塞いでしまうと、脳梗塞を発症します。こちらも、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が危険因子となります。 三つ目は、心原性脳塞栓症です。心臓の中にできた血栓が血液の流れに乗って脳の血管まで運ばれ、血管を詰まらせることで起こります。心臓に病気があると、心臓の中に血栓ができやすくなります。特に、心房細動という不整脈は、心原性脳塞栓症の大きな原因となります。 脳梗塞の症状は、詰まった血管の位置や大きさによって様々です。片側の腕や足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、言葉が出てこない、視野が狭くなる、ものが二重に見える、激しいめまいやふらつきなどがよく見られる症状です。これらの症状が突然現れたら、すぐに病院を受診することが大切です。早期に発見し、適切な治療を行うことで、後遺症を残さずに回復できる可能性が高まります。日頃からバランスの良い食事、適度な運動、禁煙などを心がけ、生活習慣病の予防に努めることも重要です。