平衡感覚

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健康の維持

めまい:原因と対処法

「めまい」とは、自分自身あるいは周囲の景色が動いているように感じる、実際とは異なる感覚のことです。具体的には、景色がぐるぐる回って見える、体がふらつく、傾いているように感じる、あるいは地面が揺れているように感じるなど、様々な体験として現れます。これらの感覚は、立っていられないほどの強いものから、ほんの少し気になる程度のものまで、その程度は様々です。また、数秒で治まることもあれば、数日続くなど、持続時間も人によって大きく異なります。 めまいは、それ自体が病気というわけではなく、何らかの原因によって引き起こされる症状です。その原因は実に多岐にわたり、耳の病気(例えば、良性発作性頭位めまい症、メニエール病など)が原因となることもあれば、脳の病気(例えば、脳梗塞、小脳出血など)が関わっている場合もあります。また、貧血や低血圧、脱水症状といった体の状態や、過労や睡眠不足、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによってもめまいが生じることがあります。 めまいを感じた時は、まず安静にすることが大切です。楽な姿勢で休むことで、症状が落ち着くこともあります。しかし、何度も繰り返すめまいや、激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。自己判断で放置すると、重大な病気が隠れている可能性を見逃してしまう危険性があります。医師による適切な診断と治療を受けることで、原因に応じた対処法を知り、めまいを改善していくことができます。日常生活に支障をきたすほどのめまいに悩んでいる方は、我慢せずに医療機関に相談することが重要です。
医療

麻痺:知覚と運動への影響

麻痺とは、神経の働きが損なわれることで、身体の一部、あるいは身体全体が自分の意思通りに動かせなくなる、または感覚がにぶくなる状態のことを指します。この状態は、脳、脊髄、末梢神経など、神経系のどこかに傷が生じることで起こります。 たとえば、脳卒中や交通事故による脊髄損傷などは、麻痺を引き起こす代表的な原因です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、脳の機能が損なわれる病気です。脊髄損傷は、交通事故や転倒などによって脊髄が傷つき、神経の伝達が遮断されることで起こります。 麻痺の程度は、神経の傷ついた場所、傷の広がり、傷の深さによって大きく異なります。一時的に麻痺の症状が現れることもあれば、生涯にわたって麻痺が残ることもあります。軽い場合は、わずかに力が入りにくくなる程度で済みますが、重症の場合は、手足を全く動かせなくなったり、呼吸をすることさえ難しくなったりすることもあります。また、麻痺は身体の機能に影響を与えるだけでなく、日常生活や社会生活にも大きな影響を及ぼします。食事、着替え、トイレなどの日常的な動作が難しくなるため、介助が必要となる場合もあります。さらに、仕事や趣味、人とのコミュニケーションなど、社会活動への参加が制限されることもあります。 そのため、麻痺について深く理解し、適切な支えや治療を行うことがとても大切です。麻痺の種類や程度に応じたリハビリテーションを行うことで、身体機能の回復を促し、日常生活の自立度を高めることができます。また、福祉用具の活用や住環境の整備なども、日常生活を円滑に進める上で重要な役割を果たします。さらに、麻痺を持つ人が社会参加しやすいように、周囲の理解と協力も欠かせません。