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夜間せん妄:高齢者の夜の混乱
夜間せん妄は、高齢者によく見られる一時的な意識の混乱した状態で、特に夕方から夜にかけて症状が現れます。日中は比較的落ち着いて過ごせている方が、日が暮れるにつれて様子が変わり、まるで別人のようになってしまうことがあります。
これは、せん妄と呼ばれる一時的な意識障害の一種です。せん妄は意識がぼんやりと霞がかかったような状態になり、実際にはないものが見えたり聞こえたりする幻覚や、実際とは異なるものとして感じてしまう錯覚を伴うことがあります。また、自分がどこにいるのか、今は何時なのかが分からなくなったり、会話がつじつまが合わなくなったりすることもあります。
夜間せん妄は、特に認知症を持つ高齢者に多く見られます。認知症は、脳の働きが徐々に低下していく病気で、記憶力や判断力の衰えなどがみられます。認知症によって脳の機能が低下しているところに、環境の変化や体の不調などが加わることで、夜間せん妄が引き起こされやすくなると考えられています。
夜間せん妄は、介護をする家族にとって大きな負担となることがあります。症状が現れる時間帯が夜間であるため、介護者の睡眠時間が削られ、肉体的にも精神的にも疲弊してしまうことがあります。また、症状が激しい場合には、介護者が怪我を負ってしまう危険性もあります。
適切な対応をするためには、夜間せん妄について正しく理解し、早めに対処することが重要です。せん妄の症状が現れた場合は、慌てずに優しく声をかけ、落ち着かせましょう。また、症状が続くようであれば、医療機関に相談することも大切です。