寝たきり症候群

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健康の維持

動かさないと衰える身体: 廃用症候群

寝たきりや長く続く安静状態によって、心身ともに様々な機能が衰えていく状態を廃用症候群といいます。別名として寝たきり症候群や生活不活発病など、様々な呼び方があります。特に、ご高齢の方や病気で療養中の方のように、長く安静にしなければならない場合に起こりやすい症状です。 廃用症候群は、体だけでなく心にも深刻な影響を及ぼします。まず、筋肉は使わないと徐々に衰え、やがて歩く力さえも弱まってしまいます。関節も同様に、動かさないと硬くなり、曲げ伸ばしが困難になっていきます。骨もカルシウムが失われ、もろくなって骨折しやすくなります。また、心臓や肺の働きも弱まり、少し動いただけでも息切れや動悸がするようになります。 さらに、胃腸の動きも悪くなり、食欲不振や便秘を起こしやすくなります。排泄機能も低下し、尿が出にくくなったり、失禁することもあります。このように、体の様々な機能が低下することで、歩く、食べる、トイレに行く、着替えるといった日常生活の動作が難しくなり、一人で生活することが困難になることもあります。 体の機能低下だけでなく、精神面への影響も深刻です。人と話す機会が減ったり、外の景色を見ることが少なくなると、気持ちが落ち込みやすくなり、意欲や気力も低下します。物忘れがひどくなったり、ぼーっとすることが多くなるなど、認知機能の低下も見られることがあります。ひどい場合には、うつ病になってしまうこともあります。 このように廃用症候群は、生活の質を大きく下げる可能性があるため、早期の対策と予防が重要です。少しでも体を動かす習慣を身につけ、心身ともに健康な状態を保つように心がけましょう。