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暮らしと健康:国際障害分類解説

国際障害分類(ICF)は、世界保健機関(WHO)が作った、健康状態を世界共通の尺度で表すためのものです。これは、これまで身体だけに注目していた障害の捉え方を変え、生活の様々な面から見ていくためのものです。 以前は、障害があるということは、ただ体の機能がうまく働かないことだと考えられていました。しかしICFでは、体の機能だけでなく、日常生活の中での活動や社会への参加といった面も大切に考えています。例えば、歩くのが難しいという体の機能の問題だけでなく、そのために買い物に行けない、仕事に行けないといった、生活や社会への影響も障害として捉えるのです。このように、ICFは障害を広く捉え、その人を取り巻く状況全体を理解しようとするものです。 ICFを使うことで、医療や福祉、教育など、様々な分野で働く人々が、障害のある人をより深く理解し、適切な支援を行うことができるようになります。また、世界各国で同じ尺度を使って情報を集めることができるので、国ごとの違いを比べたり、世界の現状を把握したりするのに役立ちます。そして、これらの情報は、障害のある人に優しい社会を作るための政策作りにも活かされます。 ICFは、単なる分類のための道具ではなく、障害のある人が暮らしやすい社会を作るための第一歩です。私たち一人ひとりがICFの考え方を理解することで、誰もが暮らしやすい、共に生きる社会の実現に近づくことができるでしょう。