妄想

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統合失調症への理解を深める

統合失調症は、誰もがなりうる心の病気です。およそ100人に1人が発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。この病気は、私たちの考えや気持ち、行動に様々な影響を及ぼし、普段の生活を送る上でいくつもの困難をもたらします。 統合失調症の症状は大きく分けて陽性症状、陰性症状、認知機能障害の三つに分類されます。陽性症状とは、健康な人には見られない症状が出現することで、例えば、幻覚や妄想などが挙げられます。幻覚とは、実際にはないものが見えたり、聞こえたりする症状で、妄想とは、間違った考えに固執してしまう症状です。陰性症状とは、健康な人にはある機能が低下した状態を指し、感情の表出が乏しくなったり、意欲が低下したり、人と話すことが少なくなったりといった症状が現れます。認知機能障害とは、集中力や記憶力、判断力といった認知機能が低下する症状です。これらの症状は人によって異なり、症状の現れ方や重さも様々です。 統合失調症の原因は、未だ完全には解明されていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや、遺伝的要因、環境的要因などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。 統合失調症は、複雑な病気であるため、周囲の理解と適切な支えがとても大切です。早期発見、早期治療によって症状の進行を抑え、社会生活を送ることが可能になります。少しでも気になる症状があれば、ためらわずに専門の医療機関に相談することが重要です。適切な治療と周りの支えがあれば、充実した生活を送ることは十分に可能です。偏見を持たずに、温かく見守る社会の実現が求められています。
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妄想への理解と対応

思い込みが現実から離れてしまうこと、それが妄想です。 事実とは異なる内容を、揺るぎない真実として信じ込んでしまう状態を指します。 周りの人がどんなに丁寧に説明したり、証拠を見せたりしても、本人は自分の考えが正しいと信じ続け、考えを変えることができません。 妄想の内容は実に様々です。たとえば、実際には誰も見ていないのに「ずっと見張られている」と感じたり、何の根拠もないのに「陰で悪口を言われている」と思い込んだりするといった、自分が被害を受けていると感じる被害妄想がよく見られます。また、自分は特別な力を持っていると信じ込んだり、有名人と特別な関係があると思い込んだりするなど、実際とはかけ離れた誇大な内容の妄想を抱く人もいます。さらに、宗教的な内容の妄想を抱くケースもあります。 妄想を抱いている人は、その内容に基づいて行動することがあります。「見張られている」という妄想を抱いている人は、常にカーテンを閉め切ったり、外出することを極端に恐れたりするかもしれません。「悪口を言われている」という妄想を抱いている人は、周囲の人を疑いの目で見て、攻撃的な態度を取ったり、関係を断とうとしたりするかもしれません。 妄想は、心の病、特に統合失調症の症状の一つとして現れることがよく知られています。しかし、強い不安や悩み、疲れ、睡眠不足、あるいは薬の副作用などによって一時的に妄想が生じることもあります。 日常生活に大きな影響が出ている場合、あるいは妄想によって自分や他人を傷つける危険性がある場合は、すぐに専門家に相談することが大切です。 適切な助言や治療を受けることで、症状の改善が期待できます。一人で抱え込まず、周りの人に助けを求めることも忘れないでください。