大脳基底核

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医療

進行性核上性麻痺:知っておくべきこと

進行性核上性麻痺という病気について、詳しくご説明します。この病気は、あまり知られていませんが、脳の中にある神経細胞が少しずつ変化し、失われていくことで、様々な運動の障害を引き起こす難しい病気です。 具体的には、脳の中の大脳基底核、脳幹、小脳といった、体の動きを調節する大切な部分が影響を受けます。そのため、歩くこと、目の動き、食べ物を飲み込むことなどに、深刻な症状が現れます。 初期の段階では、よく転ぶ、足がスムーズに出ない、食べ物が飲み込みにくいといった症状が見られます。これらの症状は、日常生活の中で少しずつ現れ始めます。 病気が進むと、次第に体のバランスを保つことが難しくなり、車椅子での生活が必要になることもあります。さらに、会話や食事にも困難が生じ、日常生活に大きな支障をきたします。話すことや食べることは、私たちが毎日行う大切な活動であり、これらのことができなくなると、生活の質が大きく低下します。 進行性核上性麻痺は、40歳を超えてから発症することが多く、男性に多く見られる傾向があります。今の医学では、この病気の進行を完全に止めることは残念ながらできません。 病気の進行は早く、発症から4~5年で寝たきりになってしまう方も少なくありません。平均寿命は発症から5~9年と言われており、肺炎や、誤って食べ物が気管に入り込んでしまうことで起こる肺炎といった合併症が、亡くなる原因となることが多いです。 早期の診断と、適切なケアが何よりも大切です。周りの方の理解と協力も、患者さんにとって大きな支えとなります。