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移動の介助

安心安全な移乗介助のために

移乗とは、人が座ったり、腰掛けたりする動作全体を指します。私たちは普段の生活で、椅子に座る、床に座る、乗り物に乗るなど、何気なく行っています。介護の現場では、ベッドから車いす、車いすから便器、車いすから浴槽など、腰掛けるところが変わる移動を「移乗」と呼びます。 移乗は、介助が必要な方にとっては、毎日の暮らしを送る上で欠かせない動作です。食事やトイレ、入浴など、日常生活の多くの場面で必要となります。そのため、安全かつ負担の少ない方法で行うことが大切です。介助する側にとっても、移乗介助は重要な仕事です。繰り返し行う動作だからこそ、介助する側の腰痛予防も重要です。 安全な移乗のためには、まず移乗する方の状態を把握することが重要です。身体の動かしやすさ、力加減、バランス感覚などを確認します。麻痺がある場合は、麻痺の程度も把握します。また、痛みがある場合は、痛みの程度や場所も確認します。 次に、周りの環境を確認します。移動経路に障害物はないか、十分な広さがあるかを確認し、安全な環境を整えます。そして、移乗に適した方法や用具を選択します。状況に応じて、スライディングボードやリフトなどを使用することもあります。 移乗中は、移乗する方と介助する方が声を掛け合い、呼吸を合わせることが大切です。「これから持ち上げます」「いきますよ」など、声を掛けながら行うことで、互いの動きを理解し、スムーズな動作につながります。また、移乗する方のプライドを尊重し、できるだけ自立を支援することも大切です。移乗後には、姿勢が安定しているか、苦しくないかを確認します。