問題解決

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介護職

問題解決への道筋

問題解決とは、読んで字のごとく、問題を解決することです。しかし、ただ目の前の困難に場当たり的に対処するだけでは真の解決にはなりません。問題解決とは、目標達成を阻む障害を、論理的で系統だった手順を踏んで取り除くプロセスなのです。 まず何よりも大切なのは、目指すべきゴールをはっきりと定めることです。目的地が分からなければ、どんなに努力しても正しい方向へ進むことはできません。目標が漠然としていると、取るべき対策も見えず、無駄な労力を使ってしまうことになります。まるで、目的地を定めずに航海に出るようなものです。羅針盤と海図を使って、確かな航路を定める必要があるのです。 次に、現状を正しく把握することが重要です。問題の全体像を掴み、何が問題となっているのかを具体的に特定します。この現状把握が不十分だと、問題の本質を見誤り、的外れの解決策を導き出してしまいます。例えるなら、病気の診断をする際に、患者の症状を詳しく調べずに治療方針を決めるようなものです。正確な診断があってこそ、適切な治療を行うことができるのです。 現状把握の後には、なぜその問題が起きているのか、原因を徹底的に究明します。表面的な現象に捉われず、根本原因を探ることが重要です。例えば、植物が枯れているのを見たときに、水不足だと決めつけて水をやっても、実は根詰まりが原因だったという場合もあるでしょう。真の原因を見抜かなければ、問題は解決しません。 原因が明らかになったら、具体的な解決策を考え、実行に移します。複数の対策案を検討し、それぞれの実現可能性や効果、リスクなどを比較検討することで、最適な方法を選びます。そして、選んだ解決策を実際に実行に移し、問題の改善に繋げます。 最後に、実行した解決策がどれほど効果があったのかを検証します。目標としていた状態に近づいているのか、問題が解消されたのかを確認します。もし効果が不十分であれば、解決策を見直したり、新たな対策を検討する必要があります。この検証作業によって、更なる改善につなげることが可能となるのです。
その他

KJ法:介護を紐解く

KJ法は、人々の暮らしや文化を研究する学問分野の専門家である川喜田二郎氏が考え出した、問題を解決するための方法です。複雑に絡み合った状況を整理し、今までとは違った見方や解決の糸口を見つけるのに役立ちます。 KJ法は、実際に現場で見て、聞いて集めた生の情報を一つひとつ紙に書き出し、似たもの同士をまとめていくことで、問題の根本原因を掴み、解決方法を見つけることを目的としています。 介護の現場では、利用者の方々が抱える問題は多種多様で、状況も複雑に絡み合っている場合が少なくありません。このような状況でKJ法を用いると、より的確な見立てと、利用者の方々に合わせた支援計画の作成に役立ちます。例えば、利用者の方の日常生活の様子、体の状態、心の状態、家族の状況など、様々な情報をKJ法で整理することで、何が問題となっているのか、どのような支援が必要なのかをはっきりとさせることができます。 KJ法の実施手順は、まず、現場での観察や利用者、家族への聞き取りを通して得られた情報を短い言葉でカードに書き出します。次に、似た内容が書かれたカードをグループにまとめていきます。この時、グループ分けの根拠を言葉で表現し、そのグループに名前をつけます。さらに、グループ同士の関係性を、上位のグループにまとめていくことで、問題の全体像を把握し、解決策を検討します。 また、医師、看護師、介護士、理学療法士など、様々な専門家が協力してKJ法を用いると、それぞれの専門的な立場からの情報を共有し、より多方面からの視点で問題を捉えることができます。そのため、チームで協力して行う介護の推進にも繋がります。KJ法は、介護の質を高め、利用者の方々に最適な支援を提供するために役立つ、大変有効な方法と言えるでしょう。