医療的ケア

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医療

医療的ケアとは何か?

医療的ケアとは、病気や障がいのある人が、日常生活を送る上で必要な医療行為のことを指します。これらの行為は、医師の指示のもと、看護師や介護職員といった専門家、あるいは家族などによって行われます。 具体的には、どのようなケアがあるのでしょうか。例えば、肺に溜まった痰を取り除く喀痰吸引や、口から食事をとることが難しい場合に栄養を届ける経管栄養、呼吸を助けるための気管切開部の衛生管理などがあります。また、寝たきりなどでできる床ずれ(褥瘡)の処置や、糖尿病の管理に必要な血糖測定とインスリン注射、呼吸を助ける人工呼吸器の管理なども医療的ケアに含まれます。 これらのケアが必要な人は、生まれたときからの病気を持つ子どもから、事故の後遺症を持つ人、あるいは加齢に伴う病気を持つ高齢者まで、年齢や背景は様々です。そして、医療的ケアは病院だけでなく、自宅や学校、介護施設など、様々な場所で提供されています。 医療的ケアは、ただ病気を治すためだけの医療行為とは異なります。その人らしく、安心して日常生活を送るための、とても大切な支えなのです。適切な医療的ケアを提供することで、生活の質を向上させ、社会への参加を促し、より豊かな人生を送ることができるようになります。そのため、医療的ケアは、単に医療行為を提供するだけでなく、その人の気持ちや生活に寄り添いながら、心を込めて行うことが大切です。
介護施設

医療型ショートステイとは?

医療型ショートステイは、病院や診療所などに併設された施設で、短期間、医療ケアと介護サービスを受けられる制度です。正式には短期入所療養介護と呼ばれ、在宅で療養生活を送る方々が利用できます。利用できる期間は数日から一週間程度で、一時的に自宅での生活が困難になった際のサポートとして活用されています。 利用対象となる方は、要介護認定を受けていることが前提です。病気の療養中の方や、手術後などで自宅での療養が難しい方、また、家族の介護負担を軽減したい場合など、様々な状況で利用されています。医療型ショートステイでは、看護師や介護職員による24時間体制の医療的ケアと日常生活の支援が提供されます。具体的には、医師による診察や健康管理、薬の管理、点滴などの医療処置、食事や入浴、排泄の介助など、利用者の状態に合わせたきめ細やかなサービスが受けられます。 医療型ショートステイを利用することで、利用者ご本人は安心して療養に専念でき、在宅療養を続けるための心身の機能維持にも繋がります。また、介護をしている家族にとっては、一時的に介護から解放されることで、身体的、精神的な負担を軽減し、リフレッシュすることができます。介護と医療の両方のサポートを受けられる医療型ショートステイは、在宅療養を支える上で重要な役割を担っていると言えるでしょう。 利用を検討する際は、各施設のサービス内容や費用などをよく確認し、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターなどに相談することで、自身に合った施設を選ぶことが大切です。
介護施設

ナーシングホームとは?新しい介護のかたち

近年、高齢化が進む中で、医療と生活支援を一体的に提供する「看護と介護の融合」という考え方が注目されています。「看護と介護の融合」とは、これまで別々に提供されてきた医療行為と介護業務を連携させ、切れ目のない支援を提供する仕組みのことです。 従来の老人ホームでは、医療行為は医師や看護師、介護業務は介護職員といったように、それぞれの専門職が別々にサービスを提供していました。そのため、健康状態が変化した入居者は病院へ移らなければならず、その移動は入居者にとって大きな負担となっていました。また、病院と老人ホームの間で情報共有がうまくいかず、適切なケアが提供できないケースも見られました。 こうした課題を解決するために生まれたのが、看護と介護の融合を実現した施設です。これらの施設では、看護師が常駐することで、健康状態の観察や服薬管理、医療処置など、医療的なケアを日常的に提供しています。また、介護職員は食事や入浴、排泄などの生活支援に加えて、看護師と連携して入居者の健康管理を行います。 看護と介護の融合によって、入居者は住み慣れた環境で医療と介護の両方のサービスを受けることができるため、病院への移動の負担が軽減されます。さらに、看護師と介護職員が密に連携することで、入居者の状態変化にも迅速に対応でき、より安全で安心な暮らしを提供することができます。 高齢化が加速する日本では、医療と介護のニーズはますます高まっています。看護と介護の融合は、高齢者が尊厳を保ちながら、地域で安心して暮らすための重要な取り組みと言えるでしょう。