健側

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移動の介助

健側を活かした介助

「健側」とは、病気やけがなどの影響を受けていない、健康な側の体のことを指します。例えば、右半身にまひがある人の場合、左半身が健側となります。また、右足にけがをした人の場合、左足が健側です。私たちは普段の生活の中で、両手両足を使って、何気なく様々な動作を行っています。しかし、片方の手にまひがあったり、片方の足にけがをしていると、今までと同じようには体を動かせません。 このような場合、残された機能を最大限に活かすことが大切になり、その重要な役割を担うのが「健側」です。例えば、右手に力が入らなくなった場合、今まで右手で行っていた歯磨きや食事などの動作を左手で行う必要があります。この時、左手(健側)を意識的に使うことで、少しずつ左手の機能を高めていくことができます。また、右足にけがをして歩くのが難しい場合、杖を使って左足(健側)で体重を支えながら歩く練習をすることで、再び歩けるようになる可能性が高まります。 健側を鍛えることは、単に残された機能を補うだけでなく、体のバランスを整える上でも重要です。片側に障害があると、どうしても体のバランスが崩れがちになります。健側を鍛えることで、体のバランスを保ちやすくなり、転倒などの危険を減らすことにも繋がります。 健側を意識的に使う訓練は、専門家の指導の下で行うことが推奨されます。理学療法士や作業療法士などの専門家は、個々の状態に合わせて適切な運動プログラムを作成し、安全かつ効果的にリハビリテーションを進めてくれます。 健側は、日常生活を支える上で非常に大切な役割を担っています。健側を積極的に活用することで、残された機能を最大限に引き出し、より自立した生活を送ることができるようになります。そして、そのことは、心身ともに健康な状態を保つことにも繋がっていくのです。
移動の介助

患側と健側:介護と介助の基本

「患側」とは、病気やけがなどによって、体に不自由がある側のことです。たとえば、脳卒中などで左半身にまひが残ってしまった場合、左半身が患側になります。右半身にまひがある場合は、右半身が患側です。体のまひの程度は人によって大きく異なり、まったく動かせない人もいれば、少しは動かせる人もいます。また、まひだけでなく、骨折やけがなどで一時的に動かしにくい場合も、その部分を患側と呼ぶことがあります。 患側があることで、日常生活の中でさまざまな困難が生じる可能性があります。食事、着替え、トイレといった基本的な動作でさえ、患側があるために難しくなることがあります。そのため、介護や介助が必要になる場合が多く、患側の状態を理解することは、適切な世話をする上で非常に重要です。 患側の状態を正しく把握することで、どのような介助が必要か、どのような点に注意が必要かを判断することができます。たとえば、患側に痛みやしびれがある場合は、その部分に触れないように注意したり、患側の筋肉が弱っている場合は、体を支えるように介助したりする必要があります。また、患側への負担を軽くするための工夫も大切です。たとえば、患側に負担がかかりにくい姿勢で座れるように、クッションや枕を使う、患側の手足の位置を調整するといった工夫をすることで、より快適に過ごせるようになります。 患側の機能回復を促すためには、リハビリテーションも重要です。理学療法士や作業療法士などの専門家による指導のもと、患側の筋肉を鍛えたり、関節の動きを良くしたりする訓練を行います。リハビリテーションも、患側の状態を理解した上で行うことで、より効果的なものになります。日常生活の中で、患側に負担をかけすぎないように注意しながら、積極的に体を動かすことも大切です。 このように、患側の状態を理解することは、適切な介護や介助を提供する上で、そして、その人の生活の質を向上させる上で、非常に大切なことなのです。