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医療

医療福祉:支え合う社会の基盤

医療福祉とは、病気や怪我、あるいは生まれつきの障がいなどによって、日常生活を送る上で何らかの支えが必要な人たちが、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように、保健・医療・福祉のサービスを総合的に提供する仕組みです。 従来の医療は、病気や怪我の治療に重点が置かれていました。しかし、医療福祉では、治療だけでなく、その後の生活の質の向上にも目を向けます。病気や怪我から回復した後も、日常生活に支障が出る場合もあります。そのため、医療福祉では、一人ひとりの状況に合わせたきめ細やかな支援を提供します。例えば、自宅での生活が難しい方には、住まいを提供したり、日常生活の介助を行います。また、社会とのつながりを維持するために、地域での活動への参加を支援したり、就労支援も行います。 医療福祉で提供されるサービスは多岐に渡ります。保健分野では、健康診断や健康相談、予防接種などを通して、病気の予防や早期発見に努めます。医療分野では、病院や診療所での治療はもちろん、リハビリテーションや訪問診療なども行います。福祉分野では、日常生活の介助や介護、相談支援、就労支援など、生活全般に関わる幅広い支援を提供します。これらのサービスは、互いに連携を取りながら、切れ目のない支援を提供することが重要です。 高齢化が進む日本では、医療福祉の重要性はますます高まっています。誰もが安心して暮らせる社会を実現するためには、医療福祉の充実が不可欠です。医療、福祉、介護などの専門職が連携し、地域住民のニーズに合わせたサービスを提供することで、誰もが住み慣れた地域で、自分らしく生き生きと暮らせる社会を目指します。
その他

福祉避難所の課題と展望

大きな災害が起こった時、皆さんはどこに避難しますか?多くの方は近くの学校や公民館などの避難所を思い浮かべるでしょう。しかし、お年寄りや体の不自由な方、赤ちゃん、妊婦さんなどは、一般の避難所での生活に多くの困難を抱える可能性があります。そこで、福祉避難所という特別な避難所の必要性が出てきます。 福祉避難所とは、災害時に特別な配慮が必要な方々が、安心して避難生活を送れるよう、様々な支援を提供する施設です。具体的には、お年寄りや体の不自由な方への介護や介助、病気や怪我の治療、赤ちゃんのミルクやおむつの提供、妊婦さんの健康管理など、一人ひとりの状況に合わせたきめ細やかな支援を行います。 一般の避難所では、多くの人が共同生活を送るため、どうしても周りの人に気を遣ったり、我慢しなければならない場面が出てきます。福祉避難所では、そうした負担をできる限り減らし、心身ともに安心して過ごせるよう配慮されています。例えば、プライバシーに配慮した個室の設置や、車いすでも移動しやすいバリアフリー化なども進められています。 また、福祉避難所には、医療機器や介護用品、食料や水などの備蓄も充実しています。災害時は、必要な物資の入手が難しくなることが予想されるため、あらかじめ備えておくことが重要です。 福祉避難所は、災害時の弱者を守るための重要な役割を担っています。災害に備え、お住まいの地域にどのような福祉避難所があるのか、事前に確認しておきましょう。
介護保険

公平な審査で適切な介護を:介護認定審査会

人が年を重ねたり、病気になったりして、日常生活を送るのに支えが必要になったとき、どの程度の手伝いが必要なのかを公平に判断する仕組みが必要です。この大切な役割を担っているのが、各市町村に設置されている介護認定審査会です。 審査会は、介護が必要と思われる方から申請があった場合、その方の心身の状態、生活状況、そしてご家族の状況などを詳しく調べます。主治医の意見書や、市町村の職員が行う訪問調査の結果などを参考に、総合的に判断します。これは単なる事務的な手続きではありません。一人ひとりの状況に寄り添った丁寧な審査が行われることで、本当に必要な支援を届けることができるのです。 審査会での審査を経て、要介護認定を受けると、介護保険サービスを利用できるようになります。訪問介護(ホームヘルプ)や、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)といった様々なサービスを受けることができるので、住み慣れた自宅での生活を続けることが容易になります。また、介護をしているご家族の負担を軽くすることも期待できます。 介護認定審査会は、このような公正で適切なサービス提供の基盤を支える、なくてはならない大切な存在と言えるでしょう。審査会があることで、必要な人に必要な支援が届き、誰もが安心して暮らせる社会の実現につながっていくのです。