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作業療法:生活を豊かにする支援
作業療法とは、日常生活を送る上で何らかの困難を抱える人々に対し、その人らしく生き生きと過ごせるよう支援する医療専門職です。病気や怪我、加齢、発達障害など、様々な理由で身体機能や精神機能に支障をきたした場合、食事や着替え、入浴といった基本的な動作や、仕事、趣味、社会参加といった活動が難しくなることがあります。作業療法士は、その人が本当にやりたいこと、やるべきことを実現できるよう、様々な作業活動を通して身体と心の両面からサポートします。
例えば、脳卒中などで麻痺が残ってしまった方には、箸やスプーンを使って食事をする練習や、ボタンをかける練習などを通して、日常生活に必要な動作の回復を支援します。また、手先の細かい動作が難しい場合には、自助具の選定や住宅改修の提案なども行います。
作業療法では、身体機能の回復だけでなく、心の健康も大切にします。認知症の方には、記憶力や集中力を高めるためのゲームや、手芸、園芸などの活動を通して、認知機能の維持・向上を図ります。また、うつ病の方には、生活リズムを整えるための活動や、趣味や社会活動への参加を促すことで、社会とのつながりを再構築する支援を行います。
作業療法の目的は、単に身体機能を回復させることではなく、その人が自分らしく充実した生活を送れるようにすることです。そのため、作業療法士は、その人の生活背景や価値観、目標などを丁寧にヒアリングし、個別性を重視した支援計画を立てます。そして、その人と共に目標達成に向けて、共に歩んでいきます。作業療法は、医療、福祉、教育など、様々な分野と連携しながら、人々の生活を支える重要な役割を担っています。