体液

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健康の維持

高齢者の脱水症状を防ぐために

体の水分が失われて不足した状態を脱水症状といいます。私たちの体は、血液やリンパ液、唾液など、さまざまな体液で満たされており、体温の調整や栄養の吸収、不要なものの排出など、生命を維持するために欠かせない働きをしています。特にお年寄りの場合、体液は体重の半分ほどを占めており、この水分が不足すると、体に様々な異変が起こる可能性があります。環境省によると、体内の水分が20%減ってしまうと生命の維持が難しくなるとされており、脱水症状は軽視できるものではありません。 体内の水分は、呼吸や皮膚からの蒸発、尿や便などを通じて常に失われています。健康な状態であれば、私たちは水分を摂取することで、失われた水分を補い、体内の水分量を一定に保っています。しかし、加齢とともに、体内の水分量は減少し、のどの渇きを感じにくくなるため、水分不足に陥りやすくなります。また、夏などの気温が高い時期や、激しい運動をした際にも、汗をかくことで水分が失われ、脱水症状を引き起こす可能性があります。 脱水症状は、軽度の場合は、のどの渇き、口の渇き、尿量の減少、疲労感、倦怠感などが現れます。さらに症状が進むと、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、意識障害などが起こり、最悪の場合は死に至ることもあります。高齢者の場合、軽度の脱水症状であっても、転倒や誤嚥性肺炎などのリスクが高まるため、特に注意が必要です。日頃からこまめな水分補給を心がけ、脱水症状の予防に努めましょう。また、すでに脱水症状が現れている場合は、速やかに水分を補給し、症状が改善しない場合は医療機関を受診するようにしましょう。