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ロフストランド・クラッチ:その特徴と利点

ロフストランド・クラッチは、持ち手が杖のように一本ではなく、前腕を支える部分がついた独特の形をした歩行を助ける道具です。この道具を使うことで、歩くのが難しい人でも、より楽に、そして安全に移動できるようになります。 一番の特徴は、握り部分と、カフと呼ばれる前腕を固定する部分を持っていることです。一般的な杖は手で握る部分しかないため、握力に負担がかかりやすく、長時間使うと疲れてしまいます。しかし、ロフストランド・クラッチはカフで前腕を固定することで、握力だけでなく、手首への負担も軽くすることができます。腕全体で体重を支えられるので、杖よりも安定感があり、疲れにくく、長い距離を歩いたり、長い時間立っていたりする際に役立ちます。 さらに、このクラッチは使う人に合わせて細かく調整できるようになっています。握る部分とカフの角度を変えることができるので、使う人の体の大きさや状態に合わせて、一番使いやすい位置に合わせられます。そのため、様々な人に対応できる柔軟性を備えています。背の高い人、低い人、腕の長い人、短い人など、それぞれに合った調整が可能です。 持ち運びにも便利なように、コンパクトに折りたたむことができる点も大きなメリットです。旅行や買い物など、外出先に持っていく際も、折りたたんで小さくなるので邪魔になりません。必要な時にすぐに使えるので、安心して外出を楽しむことができます。 このように、ロフストランド・クラッチは、従来の杖よりも使いやすく、疲れにくく、持ち運びにも便利な、歩行を助けるための優れた道具です。その特徴的な構造と機能は、歩くことに困難を感じている多くの人にとって、日常生活の質を向上させるための助けとなるでしょう。
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モジュール型車いす:進化する車いす

組み合わせ自在で、長く使えるのがモジュール型車いすの最大の特徴です。まるで積み木を組み合わせるように、部品を付け替えたり、交換したりすることで、身体の変化に合わせて車いすを調整できます。従来の車いすは、身体の状況が変わると買い替えが必要となる場合が多く、費用面での負担も大きかったのですが、モジュール型車いすであれば、必要な部品だけを交換すれば済むため、費用を抑えながら長く使うことができます。 特に、成長期のお子さんを持つご家族にとって、このメリットは大きいでしょう。お子さんの身体は日々成長し、それに合わせて車いすも調整する必要があります。モジュール型車いすであれば、座面の幅や奥行き、背もたれの高さを簡単に調整できるため、常に最適な姿勢を保ち、成長を妨げることなく快適な座り心地を提供できます。また、症状が変化しやすい病気の方にも最適です。病状の進行や回復に合わせて、必要な部品を交換することで、常に身体に合った車いすを使用できます。 アームレスト(ひじ掛け)やフットレスト(足置き)も調整可能です。アームレストの高さを調整することで、肩や腕への負担を軽減し、快適な姿勢を保てます。フットレストの長さや角度を調整することで、足の位置を最適に保ち、むくみや疲れを軽減できます。これらの細かい調整が、利用者の身体への負担を軽減し、日常生活の質を向上させることに繋がります。部品交換というシンプルな方法で、常に身体に合った状態を保てるモジュール型車いすは、快適で安心できる生活を支える大きな力となるでしょう。
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スロープ:段差解消のポイント

スロープとは、段差をなくすために作られた傾斜路のことです。階段や玄関ポーチなど、高さのある場所に傾斜面を作ることで、車いすを使う人や、ベビーカーを押す人、足腰が弱くなった高齢者など、段差を上がったり下がったりするのが難しい人たちが、安全にスムーズに行き来できるようにする設備です。 スロープは、建物の入り口や、歩道、公園、駅など、様々な場所に設置されています。近年では、誰もが暮らしやすい社会を作るという考え方が広まり、段差をなくすための基本的な手段として、スロープの設置がますます進んでいます。 スロープの傾斜の角度は、一般的に12分の1から15分の1程度が適切とされています。これは、水平方向に12メートルから15メートル進むごとに、垂直方向に1メートル上がる、もしくは下がる傾斜のことです。この程度の緩やかな傾斜であれば、車いすを使う人も自分の力で安全に移動することができます。もし傾斜がきつすぎると、車いすの操作が難しくなり、ブレーキが効かずに転倒してしまう危険性も高まります。また、上る際に大きな力が必要となり、介助者にも負担がかかります。そのため、利用者の安全を確保するためにも適切な傾斜にすることが非常に重要です。 スロープを設置する際には、傾斜だけでなく、幅や長さ、手すり、滑り止めなどにも配慮が必要です。車いすの通行に必要な幅を確保するのはもちろんのこと、急な雨でスロープが濡れても滑らないように、表面に滑り止めを施すことも大切です。また、利用者が安心して移動できるよう、手すりを設置することも重要です。これらの要素を考慮して、誰もが安全に快適に利用できるスロープを整備していく必要があります。