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介護職の燃え尽き症候群を防ぐには
燃え尽き症候群とは、まるで蝋燭が燃え尽きてしまった後のように、それまで情熱を注いでいた仕事や活動に対して、急に意欲や興味を失ってしまう状態を指します。特に人の世話をする仕事である介護の現場では、責任感が強く、利用者のために一生懸命に働く職員ほど、この燃え尽き症候群になりやすいと言われています。
利用者の状態に気を配り、身の回りの世話から心のケアまで、献身的に支える介護職員は、日々精神的にも肉体的にも大きな負担を抱えています。慣れない仕事に戸惑い、先輩職員に迷惑をかけてはいけないと気を張り詰めながら業務をこなす中で、自覚のないまま、心と体の疲れが少しずつ積み重なっていくのです。そして、ある日突然、まるで糸が切れたかのように、仕事に対する熱意が消え失せてしまいます。朝起きるのがつらくなり、以前は笑顔で接していた利用者との触れ合いさえも負担に感じ始め、何もやる気が起きない、無気力な状態に陥ってしまうのです。
このような状態になると、仕事の能率は下がり、ミスが増えるなど、仕事に悪影響が出始めます。また、表情が暗くなり、周囲とのコミュニケーションが減ることで、職場全体の雰囲気を悪くしてしまう可能性も懸念されます。自分自身を守るためにも、そしてより良い介護サービスを提供し続けるためにも、燃え尽き症候群の兆候に早く気づき、適切な対策をとることが大切です。周りの職員も、疲れている同僚の様子に気づいたら、積極的に声をかけるなど、職場全体で支え合う体制を整えることが重要です。