介護サービス計画書

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介護の長期目標:その重要性と設定のコツ

介護の世界で『長期目標』とは、利用者さんが思い描く暮らしを実現するために立てられる、長い期間の目標のことです。介護サービス計画書、いわゆるケアプランの中に書き込まれます。だいたい半年から一年くらいを目安に設定されることが多いです。 この長期目標は、利用者さんの今の状態や、どんな暮らしがしたいかという希望、そしてご家族の考えを、きちんと踏まえて決めなければなりません。実現できそうで、なおかつ具体的な内容であることが大切です。今の状態を保つだけではなく、利用者さんがより楽しく、充実した毎日を送れるように、生活の質を高めることを目指して設定します。 例えば、「一人で近所の店へ買い物に行けるようになる」という具体的な目標を立てたとします。そうすることで、目指す方向がはっきりして、毎日の介護の効果がどれくらい出ているのかも分かりやすくなります。「朝、一人で洗面台で顔を洗えるようになる」「車椅子で散歩に出かけられるようになる」といった目標も考えられます。 目標設定にあたっては、利用者さんが持っている力を最大限に活かせるように、そして、少しでも自立した生活に近づけるように、という視点が重要です。利用者さんにとって、目標達成は大きな喜びや自信につながり、更なる意欲向上に繋がるからです。周りの人も、長期目標を共有することで、利用者さんを支えるための具体的な行動を考えやすくなり、より質の高い介護サービスの提供につながります。利用者さん、ご家族、そして介護をする側、みんなにとって大切な道しるべとなるのが、この長期目標なのです。
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短期目標で叶える安心の介護

介護サービス計画書、いわゆるケアプランには、短期目標と長期目標の二つの目標が設定されます。この二つの目標は、利用者本人が望む生活の実現を支える上で重要な役割を担います。 短期目標とは、その名の通り、短期間で達成することを目指す具体的な目標のことです。期間は、多くの場合一か月から六か月程度を目安とします。利用者の状態や目標の内容に合わせて、柔軟に期間を設定することも可能です。長期目標は、利用者が最終的にどのような生活を送りたいかという、将来の展望を示すものです。一方、短期目標は、長期目標を達成するための通過点となる、より具体的な行動目標です。 例えば、長期目標として『自宅で自立した生活を送る』という目標があったとします。この長期目標を実現するためには、生活の中の様々な場面で自立した行動ができるようになる必要があります。そこで、短期目標として『一人でトイレに行けるようになる』『一人で食事ができるようになる』『一人で服を着替えられるようになる』といった、具体的な行動目標を設定します。これらの短期目標を一つずつ達成していくことで、最終的には長期目標である『自宅で自立した生活を送る』という目標の達成に繋がっていくのです。 短期目標を設定するメリットは、現状で必要なサービスや課題を明確化できることです。短期目標が定まることで、利用者本人だけでなく、医師、看護師、介護士、ケアマネージャーなど、関係者全員が共通の認識を持つことができます。それぞれの専門家がそれぞれの立場から、適切な支援を提供しやすくなり、利用者の生活の質の向上に繋がります。また、目標達成度合いを定期的に確認することで、ケアプランの内容を修正していく判断材料にもなります。