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措置制度とは何か?
措置制度とは、社会福祉のサービスを届ける際に、行政が中心となって進めていく仕組みのことです。人々から集められた税金や社会保険料、そしてサービスを利用した際のお金などを財源として、行政が自ら福祉サービスを提供していきます。
具体的には、どのようなサービスをどのくらいの量提供するのか、そしてどの事業者にサービス提供を任せるのかを行政が決定します。利用する人は、その決定に従ってサービスを受けることになります。たとえば、介護が必要な方がいたとしましょう。その方がどのような介護サービスを、どのくらいの時間受けるのか、そしてどの事業所からサービスを受けるのかは、行政が決めることになります。利用する方は、その決定に従ってサービスを受けることになります。
この制度は、戦後の混乱期において、福祉サービスの土台を作る上で、そして人々の生活を支える上で大切な役割を果たしました。当時は、物資やお金が不足している時代でした。そのような状況の中で、限られた資源を有効に活用し、すべての人に公平にサービスを届けるためには、行政が中心となって計画的にサービス提供を進めていく必要があったのです。例えば、介護が必要な方がたくさんいるけれど、介護を提供できる事業所が少ないという地域があったとします。そのような地域では、行政が中心となって、どの事業所にどの程度のサービス提供を依頼するかを調整することで、限られた資源を有効に活用し、より多くの方にサービスを届けることが可能になります。
このように、措置制度は、資源が限られている中で、公平なサービス提供を実現するために必要な仕組みでした。人々の生活を支えるセーフティネットとして機能し、福祉サービスの基盤を築く上で大きく貢献しました。しかし時代が変わり、人々のニーズが多様化していく中で、措置制度だけでは対応が難しくなってきたという側面もあります。