人生の質

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医療

生活の質を高めるということ

人が生きていく上で大切にしているもの、考え方、人生の目標といったものは、一人ひとり異なっています。これらを踏まえて、充実した日々を送れているかどうかの状態を指すのが、生活の質、人生の質、生命の質と訳される「生活の豊かさ」です。これは、体の調子が良い、お金がたくさんあるといったことだけを意味するのではなく、心と体、そして社会との関わりといった様々な面から見て、その人にとってどれほど満足し、幸せを感じているかを総合的に表すものです。 例えば、体の調子は良くても、周りの人とあまり関わることがなく、寂しいと感じている人や、お金には困っていなくても、やりたい仕事に就けず、不満を抱えている人は、生活の豊かさを実感しているとは言えないでしょう。また、生活の豊かさは、数字などで簡単に測れるものではありません。その人がどのように感じているかが大きな影響を与えます。ですから、同じような状況に置かれていても、人によって感じ方が大きく異なることはよくあることです。 自分にとって本当に大切なものは何かを理解し、それに向かって努力していくことが重要です。周りの人がどんなに良いと思っていても、本人が満足していなければ、その人にとって生活が豊かであるとは言えません。周りの意見に流されることなく、自分自身の気持ちに正直になり、より良い日々を送るために何をすべきかを考えることが、生活の豊かさを高める第一歩と言えるでしょう。
その他

生活の質を高める介護を目指して

「生活の質」とは、人が人生にどれだけの満足感を得ているかを示す考え方です。これは、よく「クオリティ・オブ・ライフ」の頭文字をとって「QOL」とも呼ばれます。この「生活の質」は、体の健康状態が良いかどうかだけでなく、心の充足感、人との繋がり、お金の安定など、様々な要素が複雑に関係し合ってできています。 人によって大切に思うことは違いますし、同じ人でも年齢や置かれている状況によって変化します。若い頃は仕事での成功を重視していた人が、年を重ねるにつれて家族との時間を大切に感じるようになる、といった変化はよくあることです。病気や怪我で体の自由が利かなくなると、それまで当たり前だった日常生活のありがたみに改めて気付くこともあります。このように、「生活の質」は、他人が決めることではなく、あくまでその人自身がどう感じるかが重要になります。そのため、数字で測れるようなものではありません。 介護の仕事では、利用者の方々がどのような暮らしを送りたいと考えているのか、何に喜びや生きがいを感じているのかを理解し、その気持ちに寄り添うことがとても大切です。「みんな同じように」ではなく、一人ひとりの価値観や望みを尊重した、その人に合った支援を心がける必要があります。 「生活の質」を高めるためには、体の世話をするだけでなく、心のケアにも力を入れなければなりません。利用者の方々が安心して穏やかに過ごせる場所を作り、自分らしく生き生きと暮らせるように支えていくことが求められます。例えば、好きな音楽を聴いたり、思い出の写真を見たり、趣味を楽しんだり、といった活動を通して、心にも潤いを与え、毎日を楽しく過ごせるように支援していくことが重要です。このように、心と体の両面から支えることで、その人らしい充実した生活を送れるようにお手伝いしていくことが、介護の大きな役割と言えるでしょう。