人材不足

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介護職

みんなで仕事、みんなで安心

仕事の手分け、つまり複数人で一つの仕事を分け合う働き方について考えてみましょう。これは分かち合いの働き方とも言われ、一人の肩に全ての仕事がのしかかるのではなく、仲間同士で支え合いながら仕事を進めていくやり方です。 仕事の重荷を軽くするだけでなく、一人ひとりの働き方に融通性を持たせることが出来るのも大きな利点です。例えば、子育て中の母親や、介護を担っている人などは、フルタイムで働くのが難しい場合もあります。分かち合いの働き方を取り入れることで、こうした人たちも能力を発揮し、社会に貢献できる機会が増えます。オランダでは、こうした働き方が広く受け入れられ、人々の生活の質を高めることに役立っているそうです。 一方、日本ではまだ、分かち合いの働き方はあまり浸透していません。その理由として、会社の習慣や雇用に関する決まりが挙げられます。日本では、昔から長時間労働が当たり前とされ、一つの仕事を最初から最後まで一人でやり遂げるのが美徳とされてきました。また、正社員と非正規社員の待遇の差も大きく、分かち合いの働き方を導入する際の障害となっています。 しかし、分かち合いの働き方には大きな可能性が秘められています。働く時間や仕事の内容を調整することで、様々な事情を抱えた人たちが活躍できる場を作り出せます。子育てや介護、あるいは病気療養など、様々な理由でフルタイム勤務が難しい人でも、自分のペースで仕事に取り組むことができます。また、多様な人材が活躍することで、会社全体の仕事の効率も上がり、新しい発想や視点が生まれる可能性も高まります。 今後、日本でも分かち合いの働き方の良さがもっと理解され、多くの会社で取り入れられるようになることを願います。そうすれば、もっと働きやすい社会が実現し、誰もが自分の能力を活かして生き生きと働けるようになるのではないでしょうか。
介護職

技能実習制度と介護:制度の目的と課題

技能実習制度は、開発途上にある国々に日本の進んだ技術や知識を伝えることを通じて、これらの国々の経済発展を支える人材を育てることを目的としています。具体的には、技能実習生として日本に滞在する人々が、実際の仕事を通して実践的な技術や知識を学び、自国に戻った後にその技術を広め、国の発展に貢献することを期待しています。 この制度は、国際協力の一環として位置づけられています。開発途上にある国々への支援を行うことで、世界全体の進歩と安定に貢献することを目指しているのです。技能実習生は、日本で働くことで収入を得られるだけでなく、先進的な技術や知識、日本の勤勉な仕事の姿勢や文化に触れる機会を得ます。これらの経験は、帰国後、彼らが自国で指導的な役割を果たす上で貴重な財産となるでしょう。また、日本企業にとっても、技能実習生を受け入れることで、労働力不足の解消や国際的な視野を持つ人材の育成といったメリットが期待できます。 しかし、この制度には課題も存在します。本来の目的である技術の習得や国際貢献とは異なり、一部の企業では、低賃金で長時間労働をさせるなど、技能実習生を単純労働力として扱う事例が報告されています。こうした状況は、技能実習生の人権を侵害するだけでなく、制度の信頼性を損なう深刻な問題です。さらに、仲介業者による高額な手数料の徴収や、技能実習生の失踪といった問題も発生しており、制度の改善に向けた取り組みが急務となっています。制度の本来の目的を達成し、国際社会の発展に真に貢献するためには、関係者全員が問題点を認識し、実習生の権利保護と適切な技能移転を実現するための努力を継続していく必要があります。