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高齢化社会と介護、介助を考える
我が国は、世界に類を見ない速さで高齢者の割合が増えている社会を迎えています。2007年には高齢化率が21%を超え、「超高齢社会」と呼ばれるようになりました。高齢者の割合が増え続ける背景には、医療の進歩による平均寿命の延びと、子どもの生まれる数が減っていることによる出生率の低下が挙げられます。かつては70歳を超えることは稀でしたが、今では90歳を超える方も珍しくありません。このような平均寿命の延びは喜ばしいことですが、同時に高齢化という社会課題を生み出しています。
少子化も高齢化を加速させる大きな要因です。若い世代が減る一方で高齢者が増えるという人口構成の変化は、社会保障制度に大きな影響を与えています。年金や医療、介護といった社会保障サービスを受ける高齢者が増える一方で、支える側の若い世代が減っていくため、社会保障制度の維持が難しくなっています。また、労働人口の減少は経済活動の停滞にもつながり、社会全体の活力を低下させる要因となっています。
高齢化は人口構成の変化という問題だけでなく、社会全体のあり方を見直す必要性を示唆しています。高齢者が健康で安心して暮らせる社会を築くためには、医療や介護サービスの充実だけでなく、高齢者が社会参加できる仕組みづくりも重要です。地域社会における高齢者の役割を見直し、生きがいを持って暮らせる環境を整備することで、高齢化社会の課題を乗り越えることができるでしょう。誰もが年齢を重ねても、地域社会で活躍し、人生の喜びを感じられる社会を目指していく必要があります。