予防

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その他

家庭内のよくある事故を防ごう

家の中は、一見すると安全な場所のように思えますが、実は危険な落とし穴がたくさん潜んでいます。国民生活に関する報告書によると、家庭内で起こる事故で亡くなる方の数は、交通事故で亡くなる方の数を上回っており、家庭内事故の深刻さが改めて浮き彫りになっています。 特に、お年寄りや小さなお子さんは、体の機能や判断する力が十分に発達していないため、事故に遭いやすい傾向にあります。お年寄りの場合、加齢による体の衰えから、つまずいたり、転んだりしやすくなります。また、視力や聴力の低下も事故のリスクを高める要因となります。小さなお子さんは、好奇心旺盛で、危険を察知する力が未熟なため、思わぬ事故に巻き込まれる可能性があります。例えば、熱い湯を浴びてやけどを負ったり、高いところから落ちて怪我をするといった事故が後を絶ちません。 さらに、近年は、夫婦共働きの家庭が増えていることで、家事や子育てに追われる中で、思いがけない事故が起こる危険性が高まっているという指摘もあります。忙しさから、注意力が散漫になり、コンロの火を消し忘れたり、包丁などの危険な物を出しっぱなしにしてしまうといったことが起こりやすくなります。また、疲れている時に子どもから目を離してしまうと、子どもが危険な行動をとってしまう可能性も高まります。 こうした現状を踏まえ、家庭内事故を防ぐための対策を改めて考える必要があります。家の中の危険な場所を把握し、手すりを設置する、滑り止めマットを敷く、危険な物を子どもの手の届かない場所にしまうなど、具体的な対策を講じることが重要です。また、家族間で日頃からコミュニケーションをとり、危険な状況を共有することも大切です。家庭内事故は「まさか」という油断から起こることが多いため、常に注意を怠らないように心掛けましょう。
医療

コレラ:その感染経路と予防策

コレラはコレラ菌という小さな生き物によって起こる、急にお腹が痛くなる病気です。お腹の調子が悪くなる病気の中でも、特に激しいものの一つです。この病気は、コレラ菌で汚れた水や食べ物を口にすることで、体の中に入ってきます。主な症状は、急に何度も水のような便が出る激しい下痢と、吐き気や嘔吐です。下痢や嘔吐によって、体の中の水分や大切な栄養分がどんどん外に出てしまい、脱水症状になります。脱水症状が進むと、体がぐったりしたり、意識がぼんやりしたり、ひどい場合には命に関わることもあります。 コレラは、きれいな水やトイレなどの設備が整っていない地域で発生しやすく、特に発展途上国で多く見られます。日本ではあまり見られない病気ですが、海外旅行から帰ってきた人がコレラ菌を持ち込んでしまうことがあります。また、近年では、病院や高齢者施設、養護施設などで、一度にたくさんの人が感染する集団感染の報告もあり、注意が必要です。 コレラを防ぐためには、清潔にすることがとても大切です。水や食べ物はもちろんのこと、料理に使う道具や食器もいつも清潔に保ちましょう。感染している人との接触も避けるようにしましょう。また、コレラを防ぐための注射(ワクチン)もあります。海外旅行に行く時は、旅行先の状況を調べて、必要であれば注射を検討しましょう。 お年寄りや赤ちゃんのように、体の抵抗力が弱い人は、コレラにかかりやすいので、周りの大人が特に気を付けてあげましょう。コレラは、早く見つけてきちんと治療すれば、治る病気です。もし、コレラのような症状が出たら、すぐに病院に行きましょう。
医療

疥癬の基礎知識と対処法

疥癬は、ヒゼンダニという目に見えないほど小さなダニが、人の皮膚の一番上の層に入り込んで暮らすことで起こる皮膚の病気です。このダニは、皮膚にトンネルのような巣穴を掘り進み、卵を産み付けます。これが強い痒みを引き起こす原因です。痒みは特に夜やお風呂上がりなど、体が温まった時にひどくなります。これは、ダニの活動が活発になるためです。 この痒みは我慢するのが難しく、かきむしってしまうことが多いです。しかし、かきむしると皮膚が傷つき、細菌による感染症などを引き起こす二次感染の危険があります。また、かきむしった手で他の部分を触ると、ダニが移動して全身に広がることもあります。 疥癬は、人から人へとうつりやすい病気です。肌と肌が直接触れ合うことで感染するだけでなく、寝具や衣類、タオルなどを共有することでも感染することがあります。そのため、家族や共同生活を送る人たちの間で感染が広がりやすいです。保育園、幼稚園、学校、高齢者施設など、多くの人が一緒に生活する場では、集団感染の発生も少なくありません。 疥癬は、適切な治療を行えば治る病気です。しかし、放置すると痒みが続くだけでなく、二次感染のリスクも高まります。また、周囲の人へ感染を広げてしまう可能性もあります。少しでも疥癬の疑いがある場合は、早めに皮膚科を受診し、検査と適切な治療を受けることが大切です。医師の指示に従って薬を塗り、感染拡大を防ぐために、寝具や衣類、タオルなどは熱湯で洗い、日光に当てて乾燥させるなど、適切な衛生管理を行うようにしましょう。
医療

院内感染を防ぐために

病院などの医療施設の中で起こる感染症のことを、院内感染と言います。入院している患者さんだけでなく、外来で診察や検査、治療などで医療施設を訪れた人が感染する場合も含まれます。 病院は病気の治療を行う場所であると同時に、様々な病原体に感染した人が集まる場所でもあります。そのため、どうしても感染症が発生しやすい環境になってしまいます。免疫力が下がっている患者さんや高齢の方、持病のある方は、特に感染しやすい状態にあるため、注意が必要です。 院内感染の原因となる病原体は、細菌やウイルス、真菌など様々です。これらの病原体は、空気感染、接触感染、飛沫感染など、様々な経路で感染します。空気感染は、空気中に漂う病原体を吸い込むことで感染します。接触感染は、病原体に汚染された物に触れることで感染します。飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみ、会話などによって飛び散った飛沫を吸い込むことで感染します。 院内感染は、患者さんだけでなく、医療従事者にとっても大きな危険があります。院内感染を防ぐためには、医療従事者と患者さん双方による、日頃からの感染対策が重要になります。具体的には、石けんと流水による手洗い、手指消毒薬の使用、マスクの着用などが挙げられます。また、医療施設側も、施設内の清掃や消毒、換気を徹底するなど、院内感染の発生を防ぐための対策を講じる必要があります。 院内感染は、時に重症化し、命に関わることもあります。一人ひとりが感染対策を心がけ、院内感染の発生を防ぐように努めましょう。
健康の維持

高血圧を知ろう!

高血圧とは、安静にしている時でも血圧が高い状態が続くことを指します。血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際に血管にかかる圧力のことで、心臓が収縮して血液を送り出す時の圧力を上血圧(収縮期血圧)、心臓が拡張して血液を受け入れる時の圧力を下血圧(拡張期血圧)と言います。この二つの数値で血圧を表します。 一般的に、上血圧が140mmHg以上、または下血圧が90mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。ただし、一度の測定だけで判断するのではなく、複数回測定して高い値が続く場合に高血圧と確定されます。これは、血圧は時間帯や日によって変動するもので、一時的に高くなることもよくあるからです。朝の起床時や、緊張している時、運動した後などは血圧が上昇しやすいため、安静時の血圧を測ることが重要です。 家庭用の血圧計を使って毎日朝晩同じ時間に血圧を測ったり、定期的に健康診断を受けることで、高血圧の早期発見につながります。また、高血圧は自覚症状がない場合が多いので、健康診断での血圧測定は非常に重要です。高血圧を放置すると、動脈硬化につながり、心臓病や脳卒中などの深刻な病気を引き起こす危険性が高まります。ですから、日頃から血圧を意識し、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスをためない生活を心がけることが大切です。塩分の摂り過ぎにも注意が必要です。高血圧と診断された場合は、医師の指示に従って生活習慣の改善や薬物療法を行うことで、血圧を適切な範囲にコントロールし、合併症の予防に努めることが重要です。
健康の維持

健康日本21:未来への健康投資

健康日本21は、21世紀における国民全体の健康づくりを推進するための国民運動計画です。2000年にスタートし、人々が長く健康に過ごせる社会を目指しています。この計画は、健康増進法に基づいて策定されており、国や地方公共団体だけでなく、国民一人ひとりが健康づくりに主体的に取り組むことを促しています。 具体的な目標値を設定することで、成果を測りながら進めていくことが特徴です。例えば、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸、健康格差の縮小など、健康に関する様々な課題に取り組んでいます。生活習慣病は、食生活の乱れや運動不足、喫煙、過度の飲酒などが原因で起こる病気であり、健康日本21では、これらの生活習慣を改善するための啓発活動や支援体制の整備などを推進しています。また、健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活を送れる期間のことです。健康寿命を延ばすことは、寝たきりや要介護の状態になる期間を短縮することにつながり、個人の生活の質の向上だけでなく、社会全体の医療費や介護費の抑制にも貢献します。さらに、所得や居住地域などによって健康状態に差が生じる健康格差の縮小も重要な課題です。健康日本21では、すべての人が等しく健康的な生活を送ることができるよう、様々な取り組みを進めています。 健康は、個人の幸せだけでなく、社会全体の活力や経済の活性化にも大きく関わっています。健康な人が増えることで、労働生産性の向上や医療費の削減につながり、経済的な発展にも寄与します。健康日本21は、国民全体の健康意識を高め、健康な社会を実現するための指針となる計画です。第二期は2013年から2022年を目標期間としていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行や社会情勢の変化などを踏まえ、2023年3月に新たな計画が策定されました。人生のあらゆる段階において、誰もが健康で充実した生活を送ることができる社会を目指し、健康づくりを推進していく計画となっています。
健康の維持

生活習慣病を防ぐために

生活習慣病とは、日々の暮らしの中の習慣が積み重なって引き起こされる病気の総まとめを表す言葉です。以前は大人の病気と呼ばれていましたが、子どもでも発症する事例が増えてきたこと、そして生活習慣が深く関わっていることがはっきりしてきたことから、1997年から生活習慣病と呼ばれるようになりました。 生活習慣病には、大きく分けて四大疾病と呼ばれるものと、その他の疾病があります。四大疾病とは、がん(悪性新生物)、脳卒中、心臓病、糖尿病です。がんは、体の細胞が異常に増殖することで体に様々な障害を引き起こす病気です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の機能が損なわれる病気です。心臓病は、心臓の機能が低下したり、血管が詰まったりすることで、体に血液を送るポンプとしての役割がうまく果たせなくなる病気です。糖尿病は、血液中の糖の濃度が高くなることで、様々な合併症を引き起こす病気です。 これらの病気以外にも、高血圧、脂質異常症、肥満なども生活習慣病に含まれます。高血圧は、文字通り血圧が高い状態が続くことで、血管に負担がかかり、動脈硬化などを引き起こす病気です。脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質のバランスが崩れた状態です。肥満は、体に脂肪が過剰に蓄積した状態で、様々な生活習慣病の危険因子となります。 生活習慣病は、命に関わる重大な病気へと進行することが少なくありません。また、たとえ命に直接的な影響がなくても、健康上の問題を抱えながら生活することになり、健康でいられる期間、つまり健康寿命を縮める大きな原因となっています。 日々の生活習慣を見直し、バランスの取れた食事、適度の運動、十分な睡眠、禁煙など、健康的な生活を送ることは、生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばすことに繋がります。規則的な健康診断も、早期発見、早期治療のために重要です。一人ひとりが自分の生活習慣を見つめ直し、健康な生活を心がけることが大切です。
医療

看護の真髄:健康を支える献身

看護とは、人々が健やかに毎日を暮らせるように、心と体の両面から支える、大切な仕事です。病気や怪我で苦しんでいる人だけでなく、健康な人に対しても、健康を保ち、より良くしていくための手助けを行います。 病気や怪我をした人に対しては、医師の指示に基づいた治療の手助けはもちろんのこと、痛みや不安をやわらげるよう努めます。栄養状態の確認や清潔保持、快適な環境づくりなど、心身の負担を軽減するための様々な活動を行います。また、病気や怪我による体の動かしにくさや日常生活での支障を少なくするためのリハビリテーションの支援も行います。 健康な人に対しては、病気の予防や健康増進のための助言を行います。定期的な健康診断の受診を促したり、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠の大切さを伝え、健康的な生活を送るための知識を提供します。地域によっては、健康教室や相談会などを開催し、地域住民の健康管理を支える活動も行います。 看護は、単に病気を治すことだけではありません。その人らしい生活を送れるように、常に寄り添い、勇気づけることが看護の大切なところです。病気や怪我、加齢などによって、日常生活に不自由を感じている人に対しては、その人が持っている力を最大限に活かせるように支援し、自立した生活を送れるよう手助けを行います。 このように、看護とは、人々の生活の質を高め、人生を豊かにするお手伝いをすることです。人々の様々な状況に耳を傾け、思いやりを持って接することで、心からの安心感を提供できる、尊い役割を担っています。
健康の維持

ヒートショックを防ぐ!冬の入浴対策

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に負担がかかり起こる症状のことを指します。特に冬の寒い時期に多く発生し、高齢者にとっては命に関わる危険な状態となることもあります。暖かい居間から寒い浴室、あるいは熱いお風呂から寒い脱衣所への移動など、温度差の激しい場所を行き来する際に、血管が急激に収縮したり拡張したりすることで血圧が乱高下するのです。 この急激な血圧変動は心臓や脳に大きな負担をかけ、様々な深刻な症状を引き起こす可能性があります。意識を失って倒れたり、心臓の筋肉に血液が送られなくなる心筋梗塞、脳の血管が詰まる脳梗塞などを引き起こすこともあり、場合によっては命を落とす危険性も少なくありません。 特に高齢者は加齢とともに血管の弾力性が低下し、血圧変動の影響を受けやすくなっているため、より注意が必要です。若い頃は問題なく過ごせていた温度差でも、年齢を重ねるごとに体に大きな負担がかかるようになることを意識しておく必要があります。また、高血圧や糖尿病、高脂血症といった持病のある方は、血管が傷つきやすくヒートショックのリスクがさらに高まります。これらの持病をお持ちの方は、普段から健康管理に気を配り、急激な温度変化を避けるように心がけることが重要です。 冬場に浴室で亡くなる方の多くは、ヒートショックが原因だと考えられています。入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく、熱いお湯に長時間つからない、湯温を41度以下にする、食後すぐや飲酒後の入浴は避ける、一人暮らしの方は家族や友人に連絡を取りながら入浴するなど、日頃から予防策を講じることが大切です。冬場の入浴は、安らぎのひとときであると同時に危険も潜んでいることを理解し、十分な注意を払いましょう。
医療

床ずれ予防の基礎知識

床ずれとは、医学用語では褥瘡(じょくそう)と呼ばれる皮膚の病気です。寝たきりや車椅子生活など、長時間同じ姿勢を保つことで、体重で圧迫された体の部位に発生しやすくなります。ちょうど、布団や椅子と接触している部分が圧迫を受け続けるため、「床ずれ」という名前で広く知られています。 床ずれの主な原因は、皮膚への持続的な圧迫による血行不良です。私たちの体は、常に血液によって酸素や栄養を全身の細胞に届けています。しかし、同じ姿勢を長時間続けると、体重で圧迫された部分の血管が押しつぶされ、血液の流れが悪くなってしまいます。すると、皮膚やその下の組織に十分な酸素や栄養が届かなくなり、細胞が損傷を受け、皮膚が赤くなったり、水ぶくれができたりします。さらに症状が進むと、皮膚が壊死し、潰瘍になってしまうこともあります。 床ずれは、初期段階では皮膚が赤くなる程度ですが、悪化すると皮膚が黒く変色し、深い潰瘍を形成することもあります。重症化すると、感染症を引き起こしたり、骨にまで達する深い傷になる可能性もあります。床ずれの治療は、傷の深さや状態によって異なりますが、一般的には、傷口を清潔に保ち、壊死した組織を取り除き、適切な薬を塗布するなどの処置が行われます。 床ずれは、一度発生すると治癒に時間がかかり、日常生活にも大きな影響を及ぼします。そのため、床ずれの予防が何よりも重要になります。具体的には、2時間ごとに体位を変える、クッションなどを活用して圧迫を軽減する、皮膚を清潔に保つ、栄養バランスの良い食事を摂るといった対策が有効です。また、皮膚の状態をこまめにチェックし、異常に気付いたら早めに医療機関に相談することも大切です。
医療

デング熱に気をつけよう

蚊が媒介するウイルス感染症「デング熱」は、デングウイルスを持っている蚊に刺されることで人に感染します。感染すると、高い熱が出て、強い痛みを伴う様々な症状が現れます。この病気を引き起こすデングウイルスを運ぶ蚊は、主に気温の高い熱帯や亜熱帯地域に生息しています。しかし、近年は地球全体の気温が上昇している影響もあり、これまでデング熱の発生が見られなかった日本の国内でも感染者が報告されています。実際、2014年にはおよそ70年ぶりに国内での感染が確認され、改めて日本国内でも感染する危険性があることが注目されています。世界中で見ると、デング熱に感染する人は年に約1億人にものぼると言われており、決して遠い国だけの病気ではありません。海外旅行や仕事で海外へ行く人は特に注意が必要です。また、国内であっても、蚊に刺されないように対策を心がけることが大切です。 デング熱の症状は、突然の高熱に始まり、強い頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛などが現れます。発疹が出ることもあり、吐き気や嘔吐、下痢などの症状を伴う場合もあります。これらの症状はインフルエンザに似ている部分もありますが、デング熱は適切な治療を受けないと重症化することがあります。まれに、デング出血熱やデングショック症候群といった命に関わる危険な状態になることもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。 デング熱の予防で最も重要なのは、蚊に刺されないようにすることです。蚊は日中に活動するため、長袖の服を着たり、虫よけスプレーを使用したりするなど、肌の露出を避けることが有効です。また、蚊の繁殖を防ぐことも大切です。家の周りの水たまりをなくしたり、植木鉢の受け皿の水をこまめに捨てるなど、蚊が卵を産みやすい場所を減らすことで、感染リスクを下げることができます。海外へ行く際には、現地の蚊の活動状況や感染症の情報を確認し、必要な予防策を講じるようにしましょう。そして、もしデング熱が疑われる症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。
健康の維持

介護予防のススメ:元気に楽しく歳を重ねる秘訣

介護予防とは、加齢に伴って生じる心身の衰えをできる限り防ぎ、要介護状態になることを防いだり、その状態になる時期を遅らせたりするための取り組みです。高齢者がいつまでも元気に自立した生活を送れるように、また、介護が必要になった場合でもその期間を短くできるよう支援を行います。 介護予防の対象となるのは、要支援状態または要介護状態になる可能性のある高齢者です。具体的には、日常生活動作に軽度の支障が出てきた方や、運動機能の低下が見られる方、低栄養や閉じこもりがちな方などが該当します。これらの高齢者に対して、それぞれの状態に合わせた様々な支援を行います。 介護予防の内容は多岐にわたります。例えば、運動器の機能向上のための体操教室は、筋力やバランス能力の維持・向上を図り、転倒予防などに繋がります。椅子に座って行う体操や、散歩、軽い運動など、個々の体力に合わせたプログラムが用意されています。また、栄養状態の改善のための食事指導では、管理栄養士などからバランスの良い食事の摂り方や、低栄養予防のためのアドバイスを受けられます。加えて、認知症予防のためのレクリエーション活動として、地域での交流会や、頭を使うゲーム、趣味活動などを通して、認知機能の低下を防ぐ取り組みも重要です。 これらの活動を通して、高齢者の心身の健康を維持・増進し、自立した生活を支え、健康寿命を延ばすことを目指しています。また、介護が必要な状態になってしまうと、本人だけでなく家族の生活にも大きな負担がかかります。介護予防は、本人と家族の身体的・精神的・経済的な負担を軽減するためにも非常に重要な取り組みと言えるでしょう。高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう、地域全体で介護予防に取り組むことが大切です。