ロービジョン

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医療

ロービジョン:見えにくい世界を理解する

ロービジョンとは、見えにくいけれど、全く見えないわけではない状態のことを指します。眼鏡やコンタクトレンズを使っても、視力が十分に上がらず、日常生活に支障が出てしまう状態です。世界保健機関(WHO)では、矯正視力が0.05以上0.3未満の場合をロービジョンと定めています。0.3の視力では、読書や歩行、人の顔を見分けることなど、普段の生活を送る上で、様々な困難が伴います。 ロービジョンを引き起こす目の病気は様々です。例えば、加齢黄斑変性は、網膜の中心部である黄斑に異常が生じ、視界の中心が暗く見えたり、歪んで見えたりします。また、緑内障は、視神経が障害される病気で、視野が狭くなったり、欠けたりします。さらに、糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として網膜の血管が傷つき、視力低下を引き起こします。これらの病気以外にも、生まれつきの原因や、けが、感染症などによってロービジョンになることもあります。 ロービジョンの方の見えにくさは、人によって様々です。視力低下の度合いも違えば、見え方の特徴も異なります。視野の中心が暗く見える人、視野の周辺が見えない人、物が歪んで見える人、光がまぶしく感じる人など、症状は多岐に渡ります。また、同じ病気であっても、見えにくさの種類や程度には個人差があります。そのため、ロービジョンの方一人ひとりの状態を理解し、それぞれの見え方に合わせた支援が必要となります。周囲の理解と適切なサポートが、ロービジョンの方々がより豊かな生活を送るために欠かせません。