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インフォーマルサービス:支え合いの輪
『インフォーマルサービス』とは、家族や地域の人、ボランティアなど、国や自治体、施設や病院といった公的な機関以外が担う介護のサービスのことを指します。非公式サービスと呼ばれることもあります。
具体的には、家族による食事の世話や入浴の手伝い、近所の人による買い物代行や話し相手、ボランティア団体による送迎サービスやレクリエーション活動などが挙げられます。これらのサービスは、正式な制度や契約に基づいて提供されるものではなく、それぞれの関係性や親切心によって行われる点が特徴です。
インフォーマルサービスは、介護が必要な人にとって、日常生活の支援や心の支えとなるだけでなく、社会とのつながりを保つ上でも大切な役割を担っています。例えば、毎日決まった時間に近所の人と話すことで、孤独感を和らげ、社会とのつながりを意識することができます。また、ボランティア団体が企画する外出やイベントに参加することで、気分転換になり、新たな人間関係を築く機会にもつながります。
インフォーマルサービスは、介護をする家族にとっても、負担を軽くし、心の安定を保つ助けとなります。家族だけで介護を担う場合、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。近所の人が時々買い物に行ってくれる、ボランティアが週に一度、数時間、話し相手になってくれるだけでも、介護をする家族は休息の時間を確保でき、心にゆとりを持つことができます。
近年、高齢化の進展や核家族化の進行に伴い、インフォーマルサービスの重要性はますます高まっています。高齢者が増え、介護を必要とする人が増える一方で、核家族化が進み、家族だけで介護を担うことが難しくなっています。このような状況の中で、インフォーマルサービスは、公的なサービスだけではカバーしきれない部分を補完する重要な役割を担っています。地域社会全体で高齢者を支える仕組みづくりが求められています。