パーキンソン症候群

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レビー小体型認知症を知る

誰もが年を重ねるにつれて、認知症は身近な心配事の一つと言えるでしょう。高齢化が進むにつれ、認知症を抱える人は増え続け、様々なタイプが存在します。その中でも、今回は三大認知症の一つに数えられる「レビー小体型認知症」について詳しく説明します。この認知症は、他の認知症とは異なる特徴的な症状や経過をたどるため、正しく理解し、適切な対応をすることがとても大切です。 レビー小体型認知症は、脳の中に「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質が蓄積することで発症すると考えられています。この病気の特徴は、認知機能の変動が大きく、良い時と悪い時の差が激しいことです。また、幻視と呼ばれる、実際にはいない人や物が見える症状や、パーキンソン病に似た運動の症状が現われることも多く見られます。 初期の段階では、物忘れよりも、周囲への注意力が低下したり、動作が緩慢になったりするといった症状が目立つ場合があります。そのため、単なる老化現象や疲れと見間違えやすく、診断が遅れるケースも少なくありません。病気が進行すると、記憶障害や判断力の低下も顕著になり、日常生活に支障をきたすようになります。 レビー小体型認知症の治療は、根本的な原因を取り除く方法がないため、症状を和らげ、生活の質を維持・向上させることを目標に行われます。薬物療法としては、認知機能の改善や幻視の抑制、パーキンソン症状の緩和などを目的とした薬が用いられます。また、日常生活の支援やリハビリテーションも重要です。周囲の理解と適切なケアが、患者さんの生活の質を大きく左右します。 早期発見・早期対応が大切ですので、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関に相談することが重要です。
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多系統萎縮症:知っておきたい基礎知識

多系統萎縮症は、あまり知られていない病気かもしれません。この病気は、脳や脊髄といった中枢神経にある特定の神経細胞が少しずつ失われていく進行性の神経変性疾患です。神経細胞が減ってしまうことで、体の様々な働きがうまくいかなくなります。「多系統」という名前の通り、いくつもの症状が現れるのが特徴です。 具体的には、運動機能の障害では、手足の震え、動作が遅くなる、歩きにくくなるといった症状が見られます。また、姿勢を保つのが難しくなることもあります。さらに、自律神経の障害も起こり、血圧の変動、便秘、排尿障害などが現れることがあります。立ちくらみや失神を起こす場合もあります。加えて、小脳の機能にも影響が出ることがあり、ろれつが回らなくなったり、ふらついたり、眼球運動に異常が出たりするなどの症状が現れることもあります。 このように、多系統萎縮症は様々な症状が複雑に現れるため、診断が難しい場合もあります。現在のところ、この病気の原因は解明されておらず、根本的な治療法も確立されていません。そのため、症状を和らげるための治療が中心となります。多系統萎縮症は国の指定難病に指定されており、患者数も比較的少ないため、情報を得たり、適切な医療機関にかかったりするのが難しい場合もあります。早期に診断を受け、適切なケアを受けることが大切です。そのためにも、この病気について正しく理解を深めることが重要です。