バランス

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移動の介助

屋内歩行レベルとは?

屋内歩行レベルとは、家の中では何とか一人で歩けるけれど、家の外に出る時には介助が必要になる状態のことを指します。具体的には、杖や歩行器を使って歩いたり、壁や家具につかまりながら移動したり、誰かの支えを借りて歩いたりする状態です。家の中であれば、食事や着替え、トイレへの移動、入浴といった日常生活動作は概ね自立して行えます。しかし、家の外に出る際には、体のバランスがとりにくかったり、歩く速度が遅かったり、疲れやすかったりするため、車いすを使うことが一般的です。 この状態に至る原因は様々ですが、加齢に伴う筋力の低下や関節の柔軟性の減少、バランス感覚の衰えといった身体機能の低下が主な要因として挙げられます。また、脳卒中や骨折などの病気や怪我の後遺症によって、屋内歩行レベルとなる場合もあります。パーキンソン病などの神経系の疾患も歩行能力に影響を及ぼし、屋内歩行レベルの状態を引き起こすことがあります。 屋内歩行レベルの方は、転倒の危険性が高いため、安全な生活環境を整えることが大切です。家の中では、床に物を置かない、段差を解消する、手すりを設置するなどの工夫が必要です。また、適切な運動やリハビリテーションを行うことで、筋力やバランス能力の維持・向上を図り、少しでも長く自立した生活を送れるようにすることが重要です。定期的に医師や理学療法士などの専門家に相談し、個々の状態に合わせた適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
健康の維持

低栄養を防ぎ健康な毎日を

低栄養とは、私たちの体が健康な状態を保つために必要な食べ物から十分な栄養を摂れていない状態のことを指します。必要な栄養が不足すると、体の様々な働きが弱り、健康に大きな影を落とします。 食事は私たちが生きていくための源であり、健康を維持するために欠かせないものです。バランスの良い食事から十分な栄養を摂ることで、私たちは毎日元気に活動し、病気にも負けない強い体を作ることができます。しかし、様々な理由から十分な栄養を摂ることができず、低栄養になってしまう人がいます。低栄養は、高齢者の方に多く見られると考えられています。食べる量や種類が減ったり、消化吸収する力が弱くなったりすることが原因です。また、一人暮らしで食事の準備が難しかったり、食欲が低下する病気にかかっていたりすることもあります。しかし、低栄養は高齢者の方だけの問題ではありません。若い世代でも、偏った食事や無理な食事制限などによって低栄養になる可能性があります。例えば、特定の食品だけを食べる、食事を抜く、極端に食べる量を減らすといったダイエットを続けると、体に必要な栄養が不足し、低栄養に陥ってしまいます。また、手軽なインスタント食品や加工食品ばかりを食べていると、一見十分な量を食べていても、栄養バランスが崩れ、低栄養の状態を引き起こすことがあります。低栄養は自覚症状がない場合も多く、「自分は大丈夫」と思っていても、実は低栄養になっていることがあります。そのため、日頃から自分の食生活を見直し、バランスの良い食事を心がけることが大切です。低栄養の状態が続くと、疲れやすくなったり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり、骨や筋肉が弱くなったり、ケガの治りが遅くなったりするなど、様々な影響が出てきます。また、低栄養は、病気の悪化や寝たきりになるリスクを高めることにも繋がります。健康で長生きするためには、毎日の食事からバランス良く栄養を摂ることが重要です。もし、自分の食生活に不安がある場合は、専門家に相談してみるのも良いでしょう。
移動の介助

姿勢保持の基礎:基底面積

基底面積とは、体を支えるために必要な、床と接する部分の広さのことを指します。分かりやすく言うと、立っている時や座っている時に、足や臀部(でんぶ)、あるいはその他の体の部分が床に触れている部分の面積です。この面積が大きいほど、重心が安定し、倒れにくくなります。 例えば、両足で立っている場面を想像してみてください。この時の基底面積は両足の面積の合計となります。次に、片足立ちになってみてください。基底面積は片足の面積だけになり、両足で立っている時よりも小さくなります。そのため、片足立ちの方がバランスを崩しやすく、倒れやすいと感じるはずです。 また、杖を使うとどうなるでしょうか。杖の先が床に触れることで、体を支える面積が増えます。つまり、杖を使うことで基底面積を広げ、安定性を高めることができるのです。 椅子に座っている場合はどうでしょうか。座っている時は、椅子の座面が基底面積となります。座面が広い椅子に座ると安定感があるのは、基底面積が広いからです。立ち上がる時は、足の裏が床に接するため、足の裏が基底面積となります。 このように、基底面積は立っている時、座っている時、歩いている時など、常に変化します。そして、基底面積の広さは、体の安定性に大きな影響を与えます。転倒を防ぎ、安全に過ごすためには、基底面積を意識することが大切です。