ノーマライゼーション

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社会復帰を支える統合ケア

統合ケアとは、支援を必要とする人々が、住み慣れた地域で、自分らしく暮らしを送れるよう支える取り組みです。これまで、支援が必要な人々は、施設での生活を送る場合が多く、地域社会から離れて暮らすことも少なくありませんでした。しかし、統合ケアは、地域社会の一員として、他の人々と同じように生活できるよう、社会への参加を促し、地域との繋がりを大切にすることを目指します。 統合ケアは、単に体の面での支援をするだけではなく、その人が持つ力や持ち味を尊重し、社会で活躍できるよう支えることを意味します。例えば、家事の手伝いや、買い物への同行、趣味を楽しむ活動への参加支援など、その人の希望や状況に合わせた、き細やかな支援を行います。また、地域の人々との交流の場を設けたり、地域活動への参加を促したりすることで、孤立を防ぎ、社会との繋がりを築けるよう支援します。 統合ケアを実現するためには、地域住民、行政、病院、福祉施設などが協力し、それぞれの役割を果たしながら、包括的な支援を提供することが重要です。例えば、行政は、必要なサービスの情報提供や相談窓口の設置を行い、病院は、健康管理や医療的な支援を提供します。福祉施設は、日常生活の支援や、社会参加の促進を担い、地域住民は、見守り活動や交流を通して、地域社会の一員として受け入れる雰囲気作りを行います。 このように、様々な立場の人々が連携し、それぞれの役割を担うことで、切れ目のない、きめ細やかな支援を提供することが可能になります。そして、支援を必要とする人々が、地域で安心して暮らし、自分らしく生き生きと生活できる社会を実現していくことを目指します。
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ノーマライゼーション:共に生きる社会を目指して

誰もが当たり前に暮らせる社会を作る、これがノーマライゼーションの目指すところです。この考え方は、障害のある人もない人も、同じように社会に参加し、地域の中で共に暮らすことを大切にしています。障害のある人を特別な存在として区別するのではなく、一人ひとりの違いを認め合い、尊重し合う社会を目指しているのです。 このノーマライゼーションという考え方は、1960年代に北欧で誕生し、世界中に広まりました。日本では、1960年に施行された知的障害者福祉法で初めてこの言葉が使われ、その後、様々な法律や制度に取り入れられてきました。ノーマライゼーションは、単に障害のある人の生活を支えるだけでなく、社会全体のあり方を変える必要があるという、大切な理念に基づいています。 障害のある人が暮らしにくいのは、個人の問題ではなく、社会の仕組みに問題があると考えます。例えば、段差が多く車いすでの移動が難しい、情報が音声や点字で提供されていないなど、社会の環境が障害のある人の社会参加を妨げているのです。これらの社会環境を改善していくことが、ノーマライゼーションではとても重要になります。 具体的には、公共交通機関のバリアフリー化や、情報提供の手段を多様化するなど、様々な取り組みが必要です。また、障害のある人に対する偏見や差別をなくすための啓発活動も大切です。ノーマライゼーションは、障害のある人だけでなく、高齢者や子ども、外国人など、誰もが暮らしやすい社会を作るための考え方であり、私たち一人ひとりがこの考え方を理解し、行動していくことが重要です。