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認知症介護とDV
高齢化が進むにつれて、認知症を抱えるお年寄りの数が増え、社会問題となっています。それに伴い、家庭内での認知症のお年寄りに対する虐待、特に家族によるものが目立つようになっています。このような状況の中、夫婦間などの暴力、つまり家庭内暴力と認知症の介護との関係について、深く理解する必要性が高まっています。
認知症は、単に物忘れをするだけでなく、判断力が弱まったり、性格が変わったりすることもあります。これらの変化は、介護をする家族にとって、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。そして、この負担が、介護をする人が家庭内暴力を起こす危険性を高める可能性があると言われています。
家庭内暴力には、殴る蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、厳しい言葉や無視、お金の使い方を制限するといった経済的な支配も含まれます。認知症のお年寄りは、これらの虐待に抵抗したり、誰かに助けを求めたりすることが難しい場合が多く、深刻な状況に陥ってしまう危険性があります。
家庭内暴力は、見逃されがちです。認知症のお年寄りは、自分の状況をうまく説明できなかったり、怖くて言い出せなかったりすることがあります。また、家族も、介護の大変さから、つい声を荒げてしまったり、暴力を振るってしまったりすることを、周りの人に打ち明けられない場合もあります。
そのため、認知症の介護における家庭内暴力の現状を正しく理解し、防ぐための対策や、困っている家族を助けるための対策をきちんと行うことが大切です。地域社会全体で、認知症のお年寄りとその家族を支える仕組み作りが求められています。