テリポン

記事数:(1)

医療

骨粗鬆症と上手につきあう

骨粗鬆症は、骨の内部の構造がスカスカになり、もろくなってしまう病気です。例えるなら、健康な骨はぎっしりと詰まったスポンジのような構造ですが、骨粗鬆症になるとスポンジにたくさんの穴があいたような状態になります。そのため、少しの力でも簡単に折れてしまうのです。骨の量は若い頃は徐々に増え、30歳前後でピークを迎えます。その後は加齢とともに徐々に減少していきます。骨粗鬆症は、この減少が著しくなり、骨がもろくなることで起こります。 骨粗鬆症の怖いところは、自覚症状がほとんどないまま進行していくことです。そのため、骨折するまで骨が弱くなっていることに気づかない場合が少なくありません。骨折しやすい場所は、背骨、手首、そして太ももの付け根(大腿骨近位部)です。高齢になると、ちょっとした段差につまずいたり、バランスを崩したりして転倒しやすくなります。このような場合、骨粗鬆症があると骨折のリスクが非常に高くなります。特に大腿骨近位部骨折は、寝たきりの原因となることが多く、要介護状態になるリスクも高まります。また、背骨の骨折を繰り返すと、背中が曲がったり、身長が縮んだりすることもあります。 骨粗鬆症の早期発見のためには、定期的な健康診断と骨密度測定が重要です。骨密度測定は、骨の強さを測る検査で、骨粗鬆症の診断に役立ちます。また、日頃から骨を強くするために、生活習慣の見直しも大切です。食事では、カルシウムとビタミンDを積極的に摂りましょう。カルシウムは牛乳や乳製品、小魚などに多く含まれています。ビタミンDは、日光浴によっても体内で作られますが、食事からも摂取できます。魚やきのこ類などに多く含まれています。適度な運動も、骨を強くする効果があります。ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられる運動を選びましょう。 骨粗鬆症は、適切な治療と生活習慣の改善によって進行を遅らせることができます。早期に発見し、治療を開始することで、骨折のリスクを減らし、健康寿命を延ばすことができます。高齢になっても自分の足で元気に歩くために、今からできることを始めましょう。