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介護の効果を測る:その意義と方法
人は誰でも、年を重ねるにつれて身体機能が低下したり、病気にかかったりすることがあります。そのような場合に、周りの人の助けを借りながら、その人らしく生活を送れるように支えるのが介護です。そして、その支えとなる介護がどれくらい役に立っているのか、きちんと確かめることが効果測定です。
効果測定とは、介護サービスを受ける方の状態が、介護によってどれだけ良くなったのかを客観的に評価する取り組みです。食事、入浴、トイレへの移動といった、日常生活における基本的な動作をどの程度自分で行えるようになったか、また、もし助けが必要な場合でも、以前と比べて介護する側の負担がどれくらい軽くなったかなどを調べます。
例えば、以前は一人では歩けなかった方が、手すりがあれば歩けるようになった、あるいは、車椅子での移動がスムーズになった、といった変化を確認します。また、以前は寝たきりだった方が、起き上がって座れるようになった、といった変化も効果測定の対象となります。これらの変化は、数字で表すことができるものだけでなく、表情の変化や気持ちの変化といったものも含まれます。
効果測定を行う目的は、提供している介護の質をさらに高めることにあります。効果が認められた取り組みは引き続き行い、効果が低い、あるいは逆効果になっていると判断された場合は、介護の計画を修正・改善します。つまり、利用者の方にとって本当に役に立つ介護を提供するために、効果測定は欠かすことのできない大切な作業なのです。
効果測定の結果は、数値として記録されるだけでなく、利用者の方の生活の質がどのように変化したか、気持ちにどのような変化があったかといったことにも注目して評価されます。これは、利用者の方がより良く、そして自分らしく生活できるようになることを目指す介護にとって、非常に重要な視点です。