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力を引き出す介護を目指して

お世話をしたい気持ちは自然ですが、介護や介助において本当に大切なのは、利用者の方々が持っている力を最大限に活かせるようにすることです。そのために、私たちはまず、利用者の方々をお世話をする対象としてではなく、一人ひとり異なる個性や考え、これまで歩んできた人生を持つ人間として、大切に思い、敬意を払って接する必要があります。 利用者の方それぞれが、どのような人生を歩み、何を大切に思ってきたのか、どんな風に日々を過ごしたいと思っているのかを理解し、その気持ちに寄り添うことが重要です。例えば、昔、裁縫が得意だった方なら、ボタン付けなど簡単な作業を手伝ってもらうことで、その方の得意なことを活かし、『役に立っている』という喜びを感じてもらうことができます。また、散歩が好きな方なら、安全に配慮しながら一緒に散歩に出かけることで、気分転換になり、心身の健康にも繋がります。 このように、利用者の方々の気持ちや希望を尊重し、その人らしい生活を送れるように支えることが、私たちの役割です。これは、食事や着替え、移動といった身体的な介助だけでなく、話し相手になったり、趣味を楽しめるように手助けをしたり、不安な気持ちに寄り添って励ましたりといった心の支えも含みます。 利用者の方々が、自信を持って、生き生きと生活できるよう、その人自身の中にある力を引き出すことを常に心掛けて、介護や介助に取り組むことが大切です。これが、自立支援の第一歩であり、利用者の方々の笑顔に繋がる道となるでしょう。