アドボカシー

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権利擁護:尊厳ある暮らしを守る支援

人は誰でも、生まれたときから色々な権利を持っています。例えば、自由に暮らす権利、自分の気持ちを伝える権利、誰からも大切にされる権利などです。しかし、年を重ねたり、病気になったりすることで、これらの権利を自分で守ったり、行使したりすることが難しくなる場合があります。例えば、物忘れがひどくなると、契約の内容をきちんと理解できずに不利益を被ってしまうかもしれません。うまく言葉で伝えられないと、自分の望む暮らしができなかったり、必要な支援を受けられなかったりするかもしれません。 このようなとき、困っている方の権利を守り、支えるのが「権利擁護」です。「権利擁護」は、高齢者や障がいのある方などが、自分らしく、大切にされる社会で生きていけるように、寄り添い、共に歩む活動です。具体的には、どのような支援があるのでしょうか。まず、福祉サービスを利用したいけれど、手続きが複雑で分からないという方には、申請の手続きをお手伝いしたり、自分に合ったサービスを見つけるお手伝いをします。また、虐待を受けている方の相談に乗り、安全な場所を確保するための支援も行います。さらに、財産を適切に管理することが難しい方には、財産管理をサポートします。医療の場面では、治療方針などを自分で決められるように、必要な情報を分かりやすく伝えたり、意思決定を支援します。 権利擁護は、単に福祉サービスを提供するだけでなく、困っている方が安心して暮らせるように、その人らしく、尊厳ある生活を送れるように支えるための取り組みです。誰もが安心して暮らせる社会を作るためには、権利擁護の考え方がとても大切です。権利擁護は、特別な人だけのためのものではなく、私たちみんなにとって大切なものなのです。
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高齢者・障害者のアドボカシー:権利擁護と意思決定支援

『擁護』や『代弁』とも呼ばれるアドボカシーは、福祉の分野で用いられる大切な支援のやり方です。特に、高齢になった方や障がいのある方など、自分の気持ちをうまく伝えられない、あるいは自分の権利を主張することが難しい方々にとって、アドボカシーは大きな支えとなります。 アドボカシーの活動は多岐に渡ります。例えば、ご本人に代わって思いを伝えたり、脅かされている権利を守ったり、自分で物事を決められるよう支援したりといったことが挙げられます。 アドボカシーの中心にあるのは、その人が自分らしく生きられるよう助けることです。例えば、施設に入所している高齢の方が、毎日の食事のメニューを自分で選びたいと思っているのに、なかなか希望が叶えられないとします。このような時、アドボケーターはご本人の思いを汲み取り、施設の職員に伝えて、実現に向けて共に調整を図ります。あるいは、障がいのある方が地域で暮らしたいと願っているにも関わらず、必要な支援が受けられずに困っている場合、アドボケーターは関係機関と連携を取り、ご本人が地域で安心して生活できるよう必要な手続きや調整を行います。 アドボカシーは、単に困りごとを解決するだけでなく、その人が自分の人生を自分で決め、主体的に生きていけるように力を与えるものです。社会的に弱い立場にある人々が、周りの人に遠慮したり、諦めたりすることなく、自分らしく生き生きと暮らせるように寄り添い、共に歩む、それがアドボカシーの真髄です。誰もが尊重され、大切にされる社会を作るためには、アドボカシーについてもっとよく知り、広めていくことが欠かせません。